生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅳ いきいきと生きる
人はひよわなもの。それもまた、生きる才能
見返りを期待せずに与えるという行為は、かつては身近にいくらでもありました。
日本人がいまより謙虚であったころ、つまり人間のひよわさを自覚していたころには、ごく自然に肩を寄せ合い、助け合っていました。
国が豊かになるにつれ、自らの力を過信し始め、サービスはもっぱら金で買うというようになってから、社会は少しおかしくなってしまったようです。
生活が豊かになったからといって、人間が強くなったわけではありません。
医療は進歩しても死は克服できませんし、人間がひよわな存在であることには依然変わりはないのです。
与えることに、特別の才能や技術はいりません。
ひよわさをもって生まれたというだけで、すでに身を寄せ合い、助け合う資質とエネルギーを誰もがもっていると、私は思っています。
与えることで失うのではなく、心は以前にも増して満たされます。
ごちそうなら食べすぎれば胃もたれを招き、膨らみすぎた財産は不安を生みますが、心は満たされれば、どこまでもすがすがしく爽やかで、生きていることの喜びを実感できます。
人間としてのひよわさを私たちはいま一度自覚し、身を寄せ助け合う生きかたを選択すべきときではないかと思います。
#生き方上手 #いきいきと生きる #HappinessFirst #ホテイアオイ広場 #幸せの秘訣 #ありきたりなことをきちんとやる #心の絆 #決めるには自分