生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅳ いきいきと生きる
ほのぼのとした善意だけでは、ボランティアはつとまりません。
総勢300人の病院ボランティアが誇り
聖路加国際病院の玄関を入るとすぐ脇に、病院ボランティアがたいてい一人、みなさんを出迎えるように立っています。
診察やお見舞いで来院される方がまず出会う病院のスタッフが、医師や看護婦や受付の職員ではなく、この病院のボランティアであることを、私は病院の誇りに思っています。
広い院内で迷う人があれば、ボランティアが道案内してくれるでしょうし、ご高齢の患者さんなど緊張や苦しさのあまり病状を要領よく説明できない方に代わって、その方の病歴や健康上の不安や訴えを、医師に向けてわかりやすく整理してくれるボランティアもいます。
私たち医療スタッフの目の行き届かないところや、気づいていてもどうしても手が回らない部分を、気持ちよいほど的確に、さりげなく、ボランティアの方々が補ってくださるのです。
病院を意味する、英語の「ホスピタル」は、ホテルやホスピスということばと同様に、「ねんごろにもてなす」ことを意味する「ホスピタリティ」から出てきたことばです。
病院が冷たく、近寄りがたく、怖いところであってはならないのです。
聖路加国際病院を訪れた人が、もしあたたかみのある空気を感じることがあるとすれば、それは総勢300人の病院ボランティアの気配りに負うところがとても大きいいと思います。
当院のボランティアは、私が院長代理であった30年前に呼びかけて始まりましたが、いまでは関東で最も病院ボランティアが活躍する病院となりました。
けれど欲を言えば、アメリカのように病床数に匹敵するだけのボランティア、聖路加国際病院ならば520人は少なくともいてほしいと、さらに夢をもっています。
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