生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅳ いきいきと生きる
ほのぼのとした善意だけでは、ボランティアはつとまりません。
生きがいとは、自分の存在に意味を与えるもの
いきいきと生きる。
「生きる」ということばが3つ連なった、このすばらしいことばのように生きたいと誰もが思います。
いきいきとした自分を発見するには、ボランティアの体験は絶好です。
私は定年後から、かれこれ25年来、ボランティアをフルタイムにしています。
聖路加国際病院での役職も、6つの財団の理事長や会長職も、診察や講義もすべてがボランティアです。
自分が好んで楽しんでやっているので、どんなハードなスケジュールであっても疲れを知りません。
ボランティアがそのまま私の生きがいでもあるからです。
他人のために役に立てたということは、つまり自分という存在が生かされたということであり、生きている実感をこれほど強く感じられる瞬間はありません。
人生の後半は、自分に与えられた知恵やセンスや体力を、今度は社会にお返ししていく段階です。
その自分を生かす場は、自分で探し求めるのです。
私にはいつもこんなイメージが目に浮かびます。
地獄の入り口で天秤を手にしてエンマさまが問うのです。
「自分の寿命を、自分のためだけではなく、他人のために使ったか」と。
もし、天秤棒が”自分のため”の重さのせいで垂直に跳ね上がったりしたら、エンマさまはひと言、「極楽は無理だね」と、言うに決まっています。
人生のぎりぎりまで考え、感じ、働ける人間でありたい。
そのための努力を惜しまず、ときに耐えて、授かった知恵を若い人に与えたい。
それが私の生きがいであり、私という存在に意味を与えてくれるものです。
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