生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅳ いきいきと生きる
からだが衰えるほど、「気」は高まると信じます。
増やすなら、微笑みのしわを
私が理事長を務める財団法人ライフ・プランニング・センターが20年前からやっている中高年対象のパソコン教室はいつも活気に満ちています。
指導するのは中高年のボランティアで、なかにはかなり年長の方もいます。
先生が高齢であればあるほど、生徒たちは俄然張り切ります。
自分よりも年上の人がパソコンを扱うので、「自分にもやれるはずだ」と自信をもつような一方、先生役のボランティアたちも、もっとわかりやすく教えることができるように、もっと高度な質問にも答えることができるようにと、自発的にパソコンの習熟に励んでいるようです。
教室の熱気はそんな両者の関係から生まれるのです。
財団では、医療ボランティアも育成しています。
医学や生理学を学んだこともない中高年の方々が、やがては聖路加看護大学の学生たちに、血液測定の理論と実際を教えるまでになります。
その腕は実に見事です。
「今日は看護大学の学生さんに、血液の生理を講義してきたのよ」と、近ごろはつらつしている奥さんを、「あてになるもんか」とひやかしながら、「うちの家内は...」と、勤務先で自慢する夫の姿が、私の目には浮かびます。
きっと妻に一目置くようになったはずです。
いずれ年をとり、深いしわが顔に刻まれようとも、いきいきと美しくありたいものです。
いつもにこにこと微笑んでいられるような毎日を送っていれば、顔にはいつの間にか微笑みのしわが生まれます。
老いて一層、心の内面は顔に現れます。
微笑みのしわを増やせるように、どいぞ十分に「気」をみなぎらせていてください。
「気」こそが、人を健やかに、いきいきとさせる源にちがいありません。
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