生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅴ 治す医療から癒す医療へ
患者であるあなたは、医師にかかった「その後」を伝える、ちょっとした配慮を
そんなあなたの意向やあなたの日常に配慮してくれる医師には、あなたもお礼を返すべきでしょう。
もちろん金品ではありません。
医者に診てもらった後に体の調子はどうなったか、その経過を伝えるのです。
医師はどんな医師でも、どんなときでも、自分の下した診察に不安を抱いているものです。
「風邪だから心配ない」と言ったものの、ひょっとして肺炎じゃないかと気になっていたりします。
そんなときに「先生、明くる日にはすっかり熱が下がりました」とあなたから電話をもらえば、医師はほっとします。
次にあなたを合ったときには、「このあいだはよかったですね」という会話からなごやかに診察が始められます。
医師が忙しそうなら、その後の経過を看護婦さんに話して、先生に伝えてもらえばよいのです。
医師の予想に反して具合が急変して別の病院に入院、というようなよくない経過も、ぜひ医師のために伝えてください。
「あんな症状のときには、もっと慎重に診るべきなんだな」と医師は反省し、経験を積むことができます。
私にもそんなありがたい患者屋さんが大勢いて、そのなかのお一人は長年喘息を患っていましたが、ある日旅行先から絵はがきをくれました。
「こちらでは案じていた発作が起こりません」、その一言で、そうか、あの人の発作には薬より転地のほうが効くのだなと気づかされたのです。
あなたとの気の利いたコミュニケーションのおかげで、医師があなたをフルネームで覚えたらしめたもの。
医師も所詮、人間。
身内のように感じる相手をぞんざいに扱ったりじゃしません。
大事にされる患者になるよう努めてみるのも、損はないと思いますが、いかがでしょう。
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