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生きかた上手


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「生きかた上手」日野原重明
 
Ⅴ 治す医療から癒す医療へ
 
音楽には、病む人の心とからだを癒す力があります。

死の床にあっても、耳だけは聞こえている。

赤ちゃんは妊娠7~8ヵ月のお母さんのお腹のなかで、母親の心音ばかりか外界のいろいろな音を聴き始めます。
 
生まれたばかりの新生児の目は、生後1~2ヵ週間もしなければよく見えないのに対して、聴覚は胎児のときからはたらき、そして死にいたる最後の瞬間まで残っています。

死が近くなって、意識もなく、観たかぎりまったく反応を示さない患者さんであっても、まわりの人の話し声や音楽は聞こえているのです。

患者さんの耳元にささやく家族の「ありがとう」のことばは、おそらく届いています。

好きだった音楽を枕元で流してあげるのも、旅立つ人の心をどんなに和ませるか知れません。

聴覚は人間の能力のなかでもことに優れた、すばらしいものだと思います。

そして、その能力をあますところなく生かし、かつ享受することを許す音楽の力も計り知れません。

音楽ならば、ことばは音楽の翼にのせてことばでは伝えきれない思いまで、いともたやすく伝え合うことができます。

より心の奥深くに到達しうるのです。

音楽的才能のあるなしにかかわらず、人は楽しいとき、不安なときに、音楽によって心を慰められたり、勇気づけられたりするのもそのためでしょう。

私にとっての音楽もまた、いまも変わらず、生きる力を与えてかけがえのない存在です。

腎炎を病んだために1年近く外で遊びまわれなかった10歳のとき、母は私にピアノを習うことを勧めてくれました。

以来、若いころには、学び始めた医学の道をあきらめて音楽家になろうかと悩んだこともあるほど、音楽には深く親しんできました。

音楽に心を救われる体験は、それこそ幾度となく味わってきましたが、それでもなお長いあいだ、音楽は、私の趣味の域を出ないものでした。

その音楽を医療現場に取り入れてみたいと思うようになったのは10年以上前の1988年、カナダのバンクーバー市の大学病院の緩和ケア病棟(ホスピス)を視察したときにさかのぼります。
 
 
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