生きかた上手
『伝え方が9割』
第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術
「イエス」に変える切り口:1
「相手の好きなこと」
こちらが、「ノー」を「イエス」に変える技術でも王道のつくりかたです。
あなたの求めることをストレートに言うのではなく、「相手の好きなこと」からつくることのより相手のメリットに変えるのです。
そう言いかえることによって、「イエス」をもらえる可能性がぐんと上がります。
まったくあなたに興味がない人がいたとして、その人をデートに誘うときのコトバ
「デートしてください」→あなたのメリットでしかない。
「驚くほど旨いパスタどう?」→相手の好きなことをもとにつくり、相手のメリットに変わった。
同じ内容のお願いですが、お願いをする技術を身につけるだけで、もともと「ノー」だったものを、「イエス」に変える可能性がぐんと上がるのです。
「相手の好きなこと」でつくるのは、お願いの技術の中でもいちばんはじめに理解しておいていただきたい切り口です。
いくつか具体的な例を見てみましょう。
こんなことがありました。
仕事で移動中、手軽に食事をとりたかったときのこと。
ファーストフードをみつけた私は、早さ優先で入りました。
ですが、私の注文したフィッシュバーガーは、どうやら時間がかかるよう。
「それじゃ、出ようかな」と思ったところに、この店の店員さんのコトバでした。
「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ちいただけますか?」
そのコトバで、私は待つことに決めました。
できたてなら美味しいし、いいかと。
でも、考えてみると、できたてなのは当たり前です。
これからつくるのですから。
待った上に、できたてでないということはありません。
この店員さんのコトバは、切り口①「好きなこと」を突いていて、私はそのコトバに動かされました。
もし、これがただ「4分ほどお待ちいただけますか?」というお店都合のお願いだったら、私はお店を出ていました。
早さ優先で入ったので。
でも「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ちいただけますか?」のように私の好きなこと、メリットから話したことで結果を変えました。
実はどちらも同じ「4分待って」という内容だし、出すフィッシュバーガーも一緒です。
ストレートにお願いをするのではなく、相手の「好きなこと」を使うことにより、結果を変えることができたのです。
「わずらわしさ」を逆転、「サービス」に変えたコトバがあります。
私が香港に出張に行ったときのこと。
その便は満席でした。
飛行機が空港へ到着し、ビジネスで来ている人が大半で、あわただしい雰囲気。
そこでアナウンスはかかりました。
「後方のお客さま、お時間がかかってしまうので、ごゆっくり、お仕度ください」
このアナウンス、見事だなあと思いました。
飛行機から降りるのは結構わずらわしいですよね。
前の人が荷物をおろすのをいちいち待たないといけないし、狭い通路を進んでは止まり進んでは止まりで、決して快適なものではありません。
ああ、今回もそうかとうんざりしていたとき、それを「ごゆっくり、お仕度ください」と伝えたことで、せわそなくなりがちなビジネスマンたちに、爽やかな風が吹いたように感じられました。
これまでのアナウンスはこうでした。
「後方のお客さま、前のお客様が出られるまで、お席でお待ちください」
つまり、ストレートなお願いだったのです。
飛行機が着いたら一刻もはやく降りたいのが人情。
それを「お待ちください」と言われると、どうしようもないですが、なんだかサービスが悪い印象になります。
一方で、「ごゆっくり、お仕度ください」と言われると、気を使ってもらってサービスをうけた感じになります。
相手のメリットになります。
どちらにしても同じ、「時間がかかるのを我慢してください」という老い願いなのに。
いつもなら、すぐに立って荷物を取り出すところを、私はゆっくり忘れ物がないかを確認しました。
思えばいつも、飛行機を降りてから忘れ物したんじゃないかと不安になったりしたものです。
曲がった襟を正しているうちに通路が流れはじめました。
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