生き方上手
孫子の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール
第六講:「虚実篇」
「主導権」を握って、ライバルを圧倒する
40 「水面下の動き」も観察せよ
水の形は高きを避けて下きに趨き、兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地に因りて流れを制し、兵は敵に因りて勝ちを制す。
四方八方に気を巡らし、いつ何時、何事が起きても対応できるよう、心の準備をしておかなくてはならない。包括的直観力を養うことがポイントである。
仕事も人生も「見えないもの」に左右されることが多いもの。
「まさかこんな事態になろうとは」
「まさかこんな人事があろうとは」
「まさかあの人があんな行動に出ようとは」など、「まさか」の連続です。
しかし、「まさか」の多い人は周囲への目配りが足りなかったと反省すべき。
たとえば、私のところへも「まさか自分が抜擢されるとは思わなかった」と、嬉しそうに昇進の報告に来る人がいます。
そういうとき、私は決まってこう言うんです。
「まさかって言うけど、君、その人事は君の知らないところで進んでいたんじゃないの?今日突然、決まったわけじゃないでしょ」
暗に、私は「水面下の動きも察知できないようではダメだよ」と論しているのです。
現代人はどうも「包括的直観力」が鈍っているような気がしてなりません。
物事の見方や観察が一面的になっていて、目の前に見えるもの、あるいは見たいものだけしか見えていないと思うのです。
そんなふうでは人はんな、愚鈍になってしまいます。
肩の力を抜き、首の筋肉を柔らかくして、常に遠くから四方八方の状況に気を巡らす。自分にとって有利・不利に関係なく、取れるだけの情報を取る。
それによって、どんなことが起こりうるかをさまざまに仮定し、何事にも対応できるだけの準備をしておく。
つまり、「包括的直観力による仮設の設定に基づいて、先手先手で対応策を打つ」ことが重要なのです。
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