『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

ポジティブ心理学の科学から出るパワフルな情報を、待ち望んでいる人々に届けるページです。

第7章 幸せの秘訣 P162

イメージ 1

『幸せが最初に来る』
幸福についての研究で最も根本的ですばらしいことの1つは、自分を幸せにしてくれることをすると、幸せになるだけではなく人生がうまくいくようにもなるという発見だ。
この章のタイトルが「幸せになる秘訣」ではなく、「幸せの秘訣」なのには理由がある。
幸せになる秘訣、すなわち幸せをもたらしてくれるものは確かにある。そして、この15年間のポジティブ心理学の研究成果を踏まえれば、それはもはや秘訣ではない。(かつて秘訣だったことがあればの話だが)。
秘訣とされたものの大部分は、実際は常識的なことなのである。だが、僕たちはそれに「幸せの秘訣」という名前をつけた。なぜなら、幸せそのものが何か他のものをもたらす秘密の要素だからだ。
何か他のものとは何だろう?
ほとんどすべてのものだ。
2000年以降に行われた広範囲に及ぶ研究で、以下のことが判明している。
幸福度の高い人々は
脳卒中や心臓まひを起こすことが少ない
→痛みや炎症を起こすことが少ない
→免疫作用がより強く、ウイルスに対する抵抗力が大きい
→より打たれ強く、逆境をうまく切り抜ける4仕事の能力が高く、より多くの職業的成功を収める
→より充実した、長続きする結婚生活を送ることができる
→社会的活動の範囲が広く、より活動的である
→地域社会により積極的に関わる
→より利他的で、社会に及ほす肯定的な影響がより大きい
→経済的により大きな成功を収める
→より長生きする
より多くのお金、より良い結婚生活を手にしている人たちの幸福度が高いのは、それらのものを手にしているからではないというのが、幸せの秘訣の根底となる部分である。
まず先に幸福があり、その結果としてそれらのものが手に入るのだということをこの研究ははっ きりと示している。
幸福の研究という取り組み全体の中核を成す発見の1つは、幸せをつかむ方法を理解することに関して、たいていの人は方向が逆になっているということだ。
「成功すれば幸せになれる」と僕たちは信じている。
あるいは「もっと健康になれば...そういう人と巡りあえれば...住みたいところに住めるようになれば...ストレスなしに生きていけるほど収入が増えれば...そうすれば幸せより大きな成功、になれるだろう」と。
だが、実際はそうではない。
実際にそうなのだと僕たちは思っている。
僕たちはみな、そうなると思いこんでいる。
これをやれば、そして十分長く続ければ、やがて幸せになれるのだと。
それは 理にかなっている。
しかし、実際にはそうではないのである。
それどころか、それでは順序が逆だ と幸福の研究は示している。
日々の幸福度を上げるのに必要なことをすれば、その結果あなたはも っと成功し、より健康になり、望む人と巡りあえるのだ。
自分の幸福度を上げれば上げるほど、達成したいと望むすべてのことが実現しやすくなるのである。
幸せは、メリーゴーランドで1周したあとにもらう真鍮のリングではない(訳注:1990年頃のアメリカでは、メリーゴーランドに釆りながら手を伸ばして真鍮のリングをつかんだ人はもう1度乗れるというルールがあったことから、人生で手に入れたいものを真鈴のリングと呼ぶことがある )。
幸せは、他のすべてのものを正しく整えた結果手に入るものではなく、今すぐに行うものなのである。
そしてそれが他のすべてのものを正しく整えることへとつながっていくのだ。
僕は先日、ある落書きを目にしたのだが、そこにはこのことが完壁に言い表されていた。
それは「 幸せになりなさい。そうすれば、その理由も一緒についてくる」という落語きだった。
僕はそれがとても気に入った。
幸せは最後にやって来るのではない。まず始めに幸せが来るのだ。
アルベルト・シユパイツアーはこれを見事に表現している。
「成功は幸せへの鍵ではない。幸せが成功への鍵なのだ」と。