第3章 選択 P70
『待つことの代償』
スライト ・エッジについて僕があなたに教えてあげられる唯一の最重要事項。
それはスライト ・エッジの原則は今この瞬間も、あなたに有利にも不利にも働いているということだ。
だから待っていてはいけない。
僕があなたに望むのは
(いやあなたに要求すると言ったほうがいいだろう)
本書を読み終えるのを待たずにスライト・エッジに基づいた資金計画に乗り出して、堅実に自分の財産を築いていけるようにしてほしいということだ。
日々の、毎週の、毎月のちょっとした自己管理が、長い間には経済的自由を獲得することにつながるのだから。
そんな事なら簡単にできるって?
そう、驚くほど簡単な事だ。
だけどそんな事はしないほうが簡単だって?
そう、残念ながらそのとおりだ。
待つことの代償を実感してもらうために、ここで例を1つ紹介しよう。
あなたと親友は2人ともお歳で大学を卒業したとする。
本書を読んだ2人は、67歳になったときには銀行に100万ドル以上の貯金がある状態で退職できるよう、貯蓄を始めたいという気持ちになる。
親友はすぐに行動を起こし、毎月給料から250ドルが個人退職金口座(IRA )に自動的に振り込まれるよう手続きをした。
ところがあなたはまだ時間はたっぷりあると考えて、それを先延ばしにしてしまう。
今年も、来年も、その次の年も行動を起こそうとはしない。
それどころか39歳になるまで、ずるずると先延ばしし続ける。
そして40歳が目前に迫って、そろそろ取りかからないといけないと重い腰を上げる。
このとき、IRAの貯蓄はどうなっているかと親友に尋ねたあなたは仰天することになる。
なんと親友はすでに100万ドル貯まったというではないか!
8パーセントの利子で同年間毎月250ドルを投資し続けた結果、もう貯蓄はすべて完了だというのである。
この時点で投資は中止して利子だけを口座に積み上げていったとしても、親友が歳で転がし始めた250ドルという小さな
雪玉は、彼女が67歳になる頃までには100万ドル以上になっているはずだ。たとえこれ以上1セントも入金しなかったとしても。
もう分かっただろう。
行動を起こすとしよう。
あなたはただちに毎月250ドルずつ貯金し始める。
親友に追いつくには何年かかるのだろう?
残念ながら、決して追いつくことはないというのが答えだ。
若いうちに始めたおかげで親友は同年間投資をすることができ、その後は新たな投資をしなくても、IRAの推進力でじっくり時間をかけて65歳になる頃には100万ドルに達しているだろう。
しかしあなたが始めたのはずっと後になってからなので、そうはいかない。
2人が65歳になるまでに、あなたは27年以上かけて8万1000ドルを投資することになり(それに対して親友は18年間で54000ドル)、その時点でまだ月々250ドルを払い続けていても、親友が貯め込んだ100万ドルの4分の1しか貯められずに終わることになる。
「それなら23歳ではなく、43歳の私はどうすればいいのだろう?63歳の私は?チャンスを逃してしまったということなのか?もう遅すぎるということなのか?」
いや、全然そんなことはない。
スライト・エッジの戦術を使って夢を叶えようとするのに、遅すぎることなど決してない。
その夢がお金に関することであっても、それ以外の事でも。
実際、ベストセラー作家のデヴイツド・パックは『Start Late,Finish Rich(仮邦題:何歳からでも金持ちになれる)』という素晴らしい著作の中で、まさにこの問題を取り上げている。
巻末の付録でリストアップした他のすべての本と同様、本書と併せてぜひとも読んでみてほしい。
僕が言いたいのは、待つことには代償が伴うということ。
それだけだ。
始めるのに遅すぎることは決してない。
待っている時間など決してない。
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