第2章 第一の要素 P44
「欠けている要素」
「なるほど、だったら心の姿勢を改めるだけでいいんだ」 そう思ったあなた、残念だがそれは違う。
そんなに単純な話ではない。
問題はここからだ。
何かに触発されたり、素晴らしい講演を聞いたり、感動的な物語を読んだり、親友に叱陀激励されたりして 、心の姿勢を改めようと思うことはできる。
自分で自分を叱陀激励することだってできるだろう。
どれをとっても、あなたを正しい方向へと歩み出させるきっかけにはなる。
そこまではいいとしよう。
問題は長続きしないということなのだ。
前章に出てきた、激しい浮き沈みの図表を思い出してみてほしい。
励みになるような物語を読んだり、感動的な叱陀激励を受けたりして、やる気を奮い起こすことはできるかもしれないが、そのときの気持ちをずっと保ち続けることなどできはしない。
感情というものは風のように変わりゃすく、一定の状態に留めることは不可能である。
そんなことができる人はどこにもいない。
感情は移ろうものなのだ。
英語で感情のことをエモーションというが、それはモーション(訳注:勤き)が語源になっている。
自分がどんな感情を抱くかを自分で決めることはできない。
そのとき取り組んでいるハウツーに前向きになろうといくら自分に言い聞かせても、どうしてもそんな気持ちになれないこともある。
今日は体を鍛えることにとても前向きで、ランニングマシンで20分間走りたい気分でも、明日にはもうそんな気分になれないかもしれない。
成功への道を見つけるには、もう一段階踏み込まなければならない。
行為の背後には心の姿勢があり、心の姿勢の背後には見識がある。
その見識が、哲学なのである。
それこそが欠けている要素であり、秘密の要素である。
つまり第一の要素だ。
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