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生きかた上手


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「生きかた上手」日野原重明

 

Ⅰ.何事もとらえかた次第
 
人は本来、どんな不幸にも耐えることができる
 
さて、心の平静は、避けようの災難によってしばしば脅かされます。

人はそれを不運、不幸と呼びますが、本当の不幸は災難それ自体を言うのではなく、災難を契機に、一切の望みもてなくなってから始まるものです。

前述のフランクルは、強制収容所で妻子も失い、死んだたsほうがましだと思える極限状況を生き抜いた末に、「収容所に入れられたのは不幸であったが、なおも私は幸せだった」と言いました。

人間は本来どんな不幸にも耐えることができる。

さらに逆境のもとでしあわせを実感することも可能だ、と私も思います。

ひとえに希望のなせるわざです。

希望とは可能性を信じること。

いまは嵐でつらくとも、厚い雲の向こうにブルースカイがあることを信じて、雲が晴れるのを静かに待つ心もちに似ています。

あきらめではなく、控えめなのです。

それでいて希望は、それがどんなときにささやかであっても、その人のここ心を明るくするのに十分です。
 
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