生きかた上手
生きかた上手
『伝え方が9割』
第1章 伝え方にも技術があった
「伝え方に技術がある!」と気づいたできごと
伝え方が苦手だったからこそ気づき、技術として体系化できたこと
小太りになった私は、もがきながらも道を探していました。
いいコトバが集まっていると言われる詩集、書籍、名刺コピー集を読みあさりました。
くる日もくる日も、読み続け、書き写していると、気になることが出てきました。
「あれ、このコトバとこのコトバ似ている」と感じることがありました。
単語が似ているのではなく、コトバの構造が似ているなと。
もしかしたら法則があるのではないか?
という仮説が生まれました。
例えば、私の心を動かしたコトバで
「考えるな、感じろ」
「死ぬことに意味を持つな。生きるんだ!」
「ちぃっちゃな本が、でかいこと言うんじゃないか」
「別れることがなければ、めぐり逢うこともできない」
「マフィアが少年聖歌隊に見えるほどの巨悪組織」
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」踊る走査線
は似ているなと感じたのです。
一見、まったく違いますよね。
どれも、正反対のコトバを使っている。
考える⇔感じる
死ぬ⇔生きる
ちぃっちゃな⇔でかい
別れる⇔めぐり逢う
マフィア⇔少年聖歌隊
会議室⇔現場
はじめ、気のせいかなと思っていました。
しかし、ただ偶然の一致にしては、見事すぎている。
その奥に、何かがあるという宝物のにおいのようなものをビンビンに感じていました。
すべてが正反対のコトバを偶然ではなく、あえて使っているのではないか?
「考えるな、感じろ」
別に「感じろ」だけでも、同じ意味が伝わるのになぜ正反対の「考えるな」とあえて言っているのか?
たまたまか?
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」
別に「事件は現場で起きてるだ!!」だけでも伝わるのに、なぜ正反対の「会議室」とあえて言っているのか?
たまたまか?
いや、たまたまではない。
正反対のコトバを効果的に使えば、心を動かすコトバになる!これは応用ができる!
あいまいだった仮説が、膨大な量のコトバを見ていくうちに確信に変わっていきました。
「心を動かすコトバには、法則がある」
私の鼻息が荒くなっていたのは、小太りだったからではありません。
私ははじめ、いいコトバは、天から舞い降りて来るひらめきが必要だと思っていました。
でもひらめきやセンスによらず、強いコトバをつくれる法則の切れ端を発見したのです。
そこからの毎日は、見つけた法則の切れ端をもとに宝の発掘でした。
これまで脈絡がないと思っていたコトバ/伝え方が、有機的につながりはじめました。
バラバラにしか見えなかった夜空の星が、つながって星座として見えるような。
ときどき鳥肌が立ったのを覚えています。
この世の神秘を知ってしまったような不思議な感覚でした。
昨日の同じコトバが、まったく違うコトバに見えるようになりました。
そこから、数々のコトバ/広告の賞をいただくようになりました。
日本人コピーライターとして初めて米国の広告賞をいただくなど、55の国内、海外の賞を積み重ねることになります。
私のコトバを気に入ってくれた音楽プロッデューサーから作詞の
依頼が来たり、そのアルバムが織り込んで1位になったり、大学の講師に誘われたりするようになりました。
変化は、徐々に起こったのではありません。
一気に身のまわりが変わったのです。
伝え方の技術を身につけたことによって。
もしかしたら、この本に書かれている技術は、教えられなくても自分の経験のなかで、発見し既にやっている方もいらっしゃると思います。
既にやっている人にとっては自身の技術を再確認できるように。
やっていない人には、手順に沿えばすぐに使えるように体系立てました。
料理の本のレシピのように、その手順通りにつくれば、プロに近い味をだせるコトバの作り方です。
もちろん同じ料理でも作り手で多少味が変わりますが、自分でその味を一から生み出すことに比べたら、数段飛びで実現できるのです。
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