『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

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第6章 飛躍的進歩という言葉にだまされてはいけない P146

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『特効薬と奇跡』
毎年1月になるとアメリカ中のジムで、何十万人もの人たちがすぐにやめてしまうことになる1つのプロセスをもう1度やり直す。
そして彼らがすぐにやめてしまうことになる唯一の理由は、彼らが正しい期待を持って臨まなかったことだ。
彼らは少しづつ前進することなど期待していない。
彼らが期待しているのは、今すぐに実感できる結果だ。つまりブレークスルーを期待しているのである。
そんな彼らには、わずかなチャンスもない。
するのは簡単だが、しないで済ませるのも簡単なこと、そういうことをしないで済ますという一見見るに足らないちょっとした選択をして、努力することをやめて静かに絶望しながら人生を過ごしている人たちがとても多い。
「飛躍的進歩」を信じることは、単に成果を出せないだけよりもなお悪い。
実際、それは危険なことだ。なぜならば、望む結果を出すために必要な行動を取る妨げになることがあるからだ。それは破滅的なことですらある。
ブレークスルーの兆しが見えなかったために、諦めて溺れてしまった哀れなカエルのことを考えてみてほしい。
むろん彼は間違っていた。カエルの生涯にも奇跡は間違いなく存在する。ただ、雲の間からブレークスルーが降りてこなかっただけだ。奇跡は、水を足でかくという行為を断固として着実に永遠と続けた末にやってきた。
スラム街の子供にしてやれる最高の贈り物は何だろう?
それはスライト・エッジを教えてやることだ。なぜなら、その子は自分の周りの世界からそれを学び取ることはないからだ。
自分を取り巻く貧困、暴力、抑圧、恐怖の世界から抜け出す唯一の道は、スポーツ界のスーパースターになることだとその子は信じている。
それは僕たちがその子にそう教えるからだ。
それは飛躍的進歩な教えだ。
もちろん、実際にスポーツ界のスーパースターになってそんな世界から抜け出すことができる才能を持っているのはごくごく少数のものだけだ。子供たちの誰もが心の底ではそれを知っているが、知っていなくても間もなく気づく。だから諦めてしまう。
そして飛躍的進歩という神話の犠牲者になる。