『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

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第9章 始まりは1セントから

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『1セントと蝶の羽』
バタフライ効果」について聞いたことがあるだろう。これはカオス理論の有名な定理で、南アフリカで1羽の蝶が羽ばたくと、それが一連の出来事を連鎖的に引き起こし、最終的には東南アジアに台風をもたらすというものだ。
つまり、人はそれを自覚していようがいまいが、自分自身もバタフライ効果をもたらしていて、しかもそれは終始起こっているのである。
バタフライ効果を描いた僕の好きなお話の1つが、映画『素晴らしき哉、人生!』だ。
ジョージ・ベイリーという名前の田舎町の実業家が人生にすっかり絶望し、自分の人生には何の意味もなく生きていてもしょうがないとまで思い詰めてしまう。
そして自殺を図ろうとしているところに、クラレンスというありそうにない名前の天使が現れ、もしもジョージが生まれていなかったなら世界はどうなっていたかをひととおり見せる
(前章「波及効果」の出だしで、クラレンスの語るすばらしい言葉を引用したのはこのためである)。
ジョージはそれをたっぷりと見ることになる。
もしあなたのところにもクラレンスがやってきて、あなたがいなかった場合の世界を見せてくれるなら、きっと同じことになるだろう。
だが、そんなにも鮮やかにそれを見せてくれるクラレンスのような存在はハリウッド以外には決してない。
それは僕たち自身が、自分の目で見られるようにならねばならないのだ。
一番小さなことが、一番大切なこと
ジョージには、自分の人生など意味にないちっぽけなものに思えた。けれどもそれはちっぽけなものどころか、極めて大きな意味を持つものだった。
実際、クラレンスに見せてもらって知ったとおり、ジョージが生まれていなかったなら、彼が暮らしていた町全体の運命が全く違ったものになっていただろう。
(それから約40年後、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』という映画の中で、マーティーマクフライが同じ教訓を学ぶことになる。世代が変わるたびに、最高の物語が常に繰り返し出てくるものなのだ)。
最も大切なことですら、それが起こった時点では、無益に見えたり無意味に感じられたりすることがときにある。
その最終的な影響を実際に見たり感じたりできるようになるのは、ずっとあとになってからのことだったりする。
生クリームの中で足をかく動作を続けたカエルのように。1セントが2セントに、そして4セントに増えていったように。
「たったそれっぽっちか、4セントで一体何が買えるというんだ?」
あなたはそう思うかもしれない。だが、それが1000万ドルまで増えれば、ほとんど何でも買うことができる。
小さなこと、何の力も持たないように見えるかもしれないことが、世界をすっかり変えることがある。
時には歴史の流れを変えることだってある。