第5章 急がば回れ P127
『不可能を可能にする方法』
最初の1歩を踏み出し、即座に黒字に転じて定評を得るためによく使われる戦略がある。
それはできるだけ盛大なファンファーレと共に新会社をスタートさせることだ。
設立前イベントを宣伝する、できる限り大きな鳴り物入りでグランドオープンをやる、「大物リーダーたち」を招いて大々的にプロモーションを打つ、予算があれば1人か2人セレブに太鼓判を押してもらう、など。
あっと言わせる。
こちらを振り向かせる。
人々(できる限り、多くの人々)の注目を集めるために必要なことはすべてやるというわけだ。
そこで僕ちはそれとは正反対のことをすることにした。
スライト・エッジを使って、自然の肥料だけで植物を育てるようにゆったりと会社を立ち上げたらどうなるかやってみることにしたのだ。
莫大な時間と資金を注いでマーケティングやサポートその他インフラを作り上げ、事業を始める前に信頼の置ける会社作りができたことを確認できるよう、ゆっくりと進んだ。
そして会社作りが完了し、2、3の友人と家族を招いて事業を開始すると宣言した。
そして営業陣にも、同じ方法で(つまり、ゆっくりと堅実に)ビジネスを構築するよう伝えることにした。
スタートに先立ち、僕らはスライト・エッジを「10の基本理念(10のコアバリュー)」という一組のシンプルな行動理念にまとめた。
そこには、現実的であれ、ぶれない、自己開発を続ける、夢は大きく持つ、そして、日々このコア・バリューに基づいて行動するといったことが書かれていた。
その10項目の中で根本にあるのは、急がば回れという理念だ。
つまり、こういうことだ。
大きな成果が欲しいのか?よろしい。それなら小さなことをやれ。それをこつこつと続けろ。
僕らは自分たちのビジネス・モデル全体をスライト・エッジの原則に基づいて構築し、事業開始第1日目からそれに従って行動し、関係者全員にこれを周知した。
売上げは毎月着実に伸びたが、大きな飛躍的進歩は1度もなかった。しかしやがて、毎月着実に積み重ねた成長の成果が現れ始めた。
最初の1年間で、売上は1億ドルを越えた。
しかもそれは、業界では未曾有のスピードだった。
実際、最初の1年で1億ドル以上を売り上げた業界初の会社として、ある業界紙から賞までもらった。
それまでのどの会社よりも早く、最短時間で大手企業になったというわけだ。
どうやって?
ゆっくり進むことによって。
急ぐためには、ゆっくり進まなければならないこともあるのだ。
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