第1章 海辺の遊び人と億万長者 P31
『ジェットコースターの呪いを回避する』
僕はジェットコースターのような激しい浮き沈みの波の中に、深遠な成功の秘訣が隠されていることを理解し始めた。
最初に失敗から生き残りへと自分を引き上げてくれた事(つまりやり方を
すでに知っていてそれまでもやっていた事)をやり続けるならば、いつかは成功に辿り着くものなのだ。
では、それは正確にはどのような事なのだろう?
人を上昇曲線に釆せる行動、そして人を下降曲線に乗せる行動とは、どんな行動なのだろう?
一 言で答えるなら、それは「ちょっとした」という言葉で表現できる。
失敗から成功へと人を引き上げてくれる行動というのは、ちょっとした事なのだ。実際、あまりに些釧な事なので見過ごしてしまいがちなほどだ。
こういう行動というのは、極めて見過ごしゃすいものである。
なぜなら、見た目には重要な事には見えないから。大きな努力を要するような大掛かりな事ではないし、大胆な事でも劇的な事でもない。ほとんどの場合、それはあなたが毎日やっていても、他の人は誰も気づきもしないような小さな事だ。
とても簡単に実行できて、成功する人は実際にやっている事だが、成功しない人はただ眺めているだけで行動に移さない。
そんな事なのである。
例えば、給料の中から2、3ドルを貯蓄にまわすとか、1日もさぼることなく数分間の運動を続けるとか、人生を変えるような感動的でためになる本を毎日10ページ読むとか。あるいは、感謝の気持ちを人に伝えるために時間を割く、それを毎日、何カ月、何年と続けるとか。
やっているとき には些細に思えるこうした小さな事が、長い時積み重なると非常に大きな結果を生む。
それを「小さな美徳」とか「成功習慣」と呼んでもかまわないが、僕は「ちょっとした日々の自 己管理」と呼んでいる。
長期に渡り一貫して続ける、ちょっとした生産的な行為だ。
簡単に言えば、それがスライト・エッジ(わずかな違い)なのである。
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