『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

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第2章 第1の要素 P46

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『人生の知恵』
哲学を変えるのに大学院へ行く必要はない。ギリシャ語を学び、19世紀のドイツ人作家が書いた分厚い本を延々と読まなくても、哲学を変えることはできる。
人生哲学というのはとてもシンプルなもので、6歳の子供にも理解できるくらい基本的な事なのだ。
例を1つ挙げてみよう。
ラルフ・ワルド・エマーソンの『償いについ て』という随筆から取ったものだ。
まずは行動することだ。力は後からついてくる。
極めてシンプルであると同時に、とても力強い言葉である。
日々の生活の中で実際に活用できるのは、こういう種類の知恵だ。
ナイキの企業スローガン「行動あるのみ」も、ほほ同じ事をもっと少ない言葉で表現しているけれど、僕はエマーソンの言葉のほうが好きだ。
あとの章でスライト・エッジを人生にどう活かすかについて話をするときに、もう一度この言葉を取り上げるつもりだ。
心の姿勢は、権利意識の強いタイプと自分の価値観に従うタイプの2つに大きく分けられる。
「私に手助けできる事は何だろう?」と考えるのが後者のタイプで、「最近、私は何をしてもらっただう?」と考えるのが前者のタイプだ。
前者のタイプの人が「給料を上げてくれれば、もっと一生懸命働きます」と言うのに対して、後者のタイプの人は「もっと一生懸命働きますから、給料を上げてくれるとありがたいです」と言うだろう。
この2つの態度のうちのどちらが、エマーソンの哲学「まずは行動することだ。力は後からついてくる」に合致しているだろう?
あなたが何を知っていて、それについてあなたはどう考え、それがあなたの行動にどのような影響を与えるか。
それがあなたの哲学だ。
他人の行為を観察すれば、その行為の背後にある心の姿勢を通して、その元となる哲学までもが見えてくる。
ある人がどんな行動を取っているかを教えてくれれば、僕はその人の哲学を言い当てることができる。
人生哲学をもう1つ紹介しよう。
IBM創立者トーマス・J・ ワトソンの言葉だ。
成功の法則は非常にシンプルだ 、失敗の割合を2倍にすればいいのである
昨今、失敗の割合を2倍にすることが成功の鍵だと教えられることは少ない。
それどころか、失敗は疫病のように忌み嫌われている。
「失敗という選択肢はない」という表現を聞いたことがあるだろうが、本当にそうだろうか?
現実に照らし合わせて確かめてみよう。
選択肢のーつとして考えようが考えまいが、失敗というものは起こるものである。
だったら、選択肢の1つとして考えたほうがいい。
「失敗という選択肢はない」という哲学で人生を過ごせば、学ぶための良い機会をことごとく逸することになるだろう。