第4章 ありきたりな事をきちんとやる P92
『1000万ドルの疑問』
1日に2、3ドル、あるいは毎週多少の貯金をすることがそれほど難しいだろうか?
そんなことはない。ばかばかしいくらい簡単だ。
それでもほとんどの人はそうしない。
ア メリカは国民1人あたりの所得が世界で最も多い国の1つ だ。
それなのに貯蓄率は下から数えたほうが早い。
それはなぜだろう?
食べ物と健康を例に取ろう。
食べるという行為は誰もが生涯にわたって毎日欠かさない行為なので、スライト・エッジの最良の例の1つになる。
また、健康的な食事とはどういうものなのかということに関して、大きな謎は存在しない。
にもかかわらず、アメリカでは太りすぎや肥満が大問題となって久しい。
3人に2人のアメリカ人が太りすぎで、3人にほぼ1人は肥満の定義に当てはまる。
子供の肥満は、この30年で3倍に増えている。
これは耳新しい事ではない。アメリカ人は自分たちが太りすぎだと分かっている。
事実、痩せようとしてダイエット本やダイエット・プログラムに多額のお金を使っている。
国内にフィットネスクラブが3万軒以上あるけれど、そのどれもが痩せて健康になりたいという人々の願いを叶えることを目指している。
ちょっとばかり体重が重すぎるとか、見た目がどうとかいう程度の問題ではないのである。
心臓疾患やがん、糖尿病といった主要な死因を占めている病気の、最も大きな要因の1つとなっているのが栄養なのだ。
ほとんどのアメリカ人は、文字どおり自分の歯で自分の墓を掘っているようなものである。
そんなことはすべて分かっていながら、ほとんどの人は何の手も打っていない。
なぜだろう?
実行するのが非常に簡単で、しかも驚くべき成功をもたらすものであるのなら、どうして誰もがスライト・エッジを実行しないのか?
それは文字どおり1000万ドルの疑問である。
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