第11章 スライト・エッジをマスターしよう P257
「小さな1歩の積み重ね」
赤ん坊のあなたはたった今、最初の1歩を踏み出そうとしている。
周りの大人たちが動き回るとき、彼らが足を1歩ずつ交互に踏み出しているのは観察して知っている。
右足、左足、右足、左足と次々に足を踏み出す様子をあなたはじっと見ていたのだ。
そこであなたはやってみる。
ためらいがちな大きな第1歩を踏み出す。
そして次の1歩に移ろうとしたところで尻もちをついてしまう。
もう1度やってみる。
その後何度も繰り返す。
コーヒーテーブルの周りを伝い歩きする日々が続いた後、ママやパパの指を握りしめながら、片足をもう片方の足の後ろからぎこちなく前に出し、とうとう初めて2歩続けて歩む。
それが3歩 、4歩と増えていき、やがて誰の力も借りずに1人で歩きだす。
誇らしげに見守る家族の声援と喝采を受け、あなたはよちよちと1歩ずつ、新たに獲得したスキルを披露する。
そう、あなたはまさしく歩いているのだ。
歩くことを学ぶ過程で、あなたは転ぶことと立ち上がることのどちらに多くの時間を費やしただろう?
ほとんどの赤ん坊と同じように、成功(歩くこと)よりもはるかに多くの失敗(転ぶこと)を経験したはずだ。
だが、それは問題ではない。
あなたは習得の道を歩んでいたのである。
もうやめようと思ったことが1度でもあっただろうか?
「どうもボクは歩くのに向いていないみたい。それなら、これからもずっとハイハイするしかないかな。うん、それもそんなに惑くないな。よく考えてみると、それに慣れるのもそれほど難しくはなさそうだし・・・」なんて心の中で考えたことがあっただろうか?
もちろんないだろう。
あなたはすでに習得の道を歩んでいて、あなたはすでにマイスターだったのだから。
あとは歩くスキルが追いつくのを待つだけだ。
始終転んでばかりいるのは本当に不愉快だし(転べば痛い思いをすることになるし仰向けにひっくり返ったカブトムシみたいに床に転がっているあなたはそうとう間抜けな感じに見えただろう。
それでもあなたは挑戦し続けた。
それはなぜだろう?
なぜなら成功する人というのは、成功しない人がやりたがらないことをやるものだからだ。
素晴らしいのは、赤ん坊は誰もみな成功者だということだ。
赤ん坊のとき、人はみな、マイスターなのだ。
人は誰でもそういうふうにできている。
人は生まれてきたとき、本能的にスライト・エッジを理解している。
それなのに成功を引き寄せる生得の力、ものごとを習得する術を、4万回の「ノー」を経験する過程で手放してしまうのだ。
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