第11章 スライト・エッジをマスターしよう P254
「勝つために人が備えていなければならない1つの資質がある。 それは目標を明確にすること、自分が何を求めているのかを熟知すること、そしてそれを 手に入れたいという燃えるような願望だ 」
ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』
まだ幼い子供だった頃、あなたは四つんばいでハイハイ しながら世界を動き 回っていた 。
他の誰もが立って歩いているのを見て 、 ある日、幼いあなたの頭の 中に「もしかしたら、ボクにもできるかな?」という考えが浮かんだ 。
そう思った途端、「もしかしたら」なんて考えは 吹っ飛んで、とにかくやってみなければ気が済まなくなった 。
それはまさしく未知の世界への挑戦だった 。
やってみて失敗し、再び挑戦する。
歩くことをマスターするまで、諦めることなどあり得なかった。
そこで文字どおり1歩1歩、歩くために必要なスキルを磨き始めることにした。
そしてまずはそれを宣言した。
おそらくはたどたどしい言葉で (幼い子供にとって言葉は全く別次元の世界で、開拓してみようと思ったことすらなかったことだろう)。
ホームランを打つ前に外野を指差して打つぞと予告したベーブ・ルースのように、あなたはパブパブ、アーウーと言いながら、赤ん坊なりの唯一のやり方で「ちゃんと見てて、今から歩くからね!」と熱く宣言したのである。
そして何か頭上にあるものをぎゅっとつかんで、自分の体を真上に引き上げる。
ベビーサークル、椅子、一番大きなぬいぐるみなどにつかまって、グラグラと危なっかしいながらもどうにか立ち上がる。
そして手を離す。
わざと離したのか、たまたま離れたのかは分からないが、この際それはどうでもいい。
結果は同じことなのだから。
あなたはドスンと尻もちをついてしまう。
けれどもその直後、もしくは少し時間をおいてから、あるいはその翌日にもう1度やってみる。
それからとうもの数え切れないほど挑戦し、ついに完全に自力で立てるようになる。
「ママ、見て。ボク、手をつかないで立ってるよ」
そしてあなたは1歩踏み出す。
その1歩が習得の第1歩だ。
そう、まさにこの瞬間、あなたは習得したのだ。
いや、まだ本当に歩いたとは言えないだろう。
のちのあなたのような危なげのない足取りで歩いたわけではない。
むろん、すぐ次の瞬間には尻もちをついてしまうだろう。
だが、そんなことはど うでもいい。
あなたはあのニール・アームストロングさながらの1歩を踏み出し、その道を歩み始めたのだから。
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