第3章 選択 P74

『スライト・エッジもう1つの側面』

スライト ・エッジは容赦のない諸刃の剣である。

前向きに用いればあなたを成功へと押し上げてくれるが、不注意に取り扱えばあなたを失敗へと引きずりおろす。

ちょっとした生産的な行為を、長い間一 貫して続けるか。

ちょっとした判断ミスを、長い間一 貫して繰り返すか。

それだけのことなのだ。

100万ドルを手にして人生をスタートしても、スライト・エッジを理解していなければすべてを失うだろう。

1セントしか持たずにスタートしても、スライト・ エッジを理解していれば行きたいと思うどんなところへでも行ける。

僕の母は、そのことが分かっていた。

僕は人生の最初の20年くらいは分かっていなかった。

ほとんどの人は分かっていない。

世の中のほとんどの人は、双子の2人のうち、100万ドルを選んでそれ以上の金額を銀行から前借りしてしまったほうに似ている。

あるいは、手足で水をかくというような取るに足りない動作でも、根気よく続ければ、実際に生クリームからバターができることもあることを予想できなかった運命論者のカエルに似ている。

自分が行きたいところへ到達するのに必要な、日々のちょっとした自己管理をほとんどの人は続けようとしない。

どうして続けないのかというと、どんどん進んで行った場合、どんな結果が待っているのかが予想できていないからだ。

しかし予想できようができまいが、結果は確実にやって来る。

100万ドルの預金か、線路をこちらに向かって走ってくる列車かのどちらかの結果が。

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