THE SLIGHT EDGE

　
第１部　スライト・エッジの作用
　
第４章　ありきたりな事をきちんとやる
　
人生を変えることを保証する、スライト・エッジに適った行為を１つ紹介しよう。

それは良書（人生をより良いものにすることを目的に書かれた本）を毎日10ページ読むことだ。

今日そうい う本を10ぺージ読んだら、人生が変わるのか?

もちろん変わらない。

今日そういう本を10ページ読まなかったら、人生が滅茶苦茶になるのか?

むろんそんなことはない。

しかし、長期間１日も欠かすことなく10ページずつ読むならば、望みうる限りの成功を手に入れるために必要となるあらゆる知識が必ずや身につくだろう。

１セントが長い時間をかけて100万ドルになったように、１日10ページの読書は積もり積もって1000万ドルに値する知識をあなたの中に蓄えるだろう。

１年間続ければ、3650ページ読むことになる。

それは人生を変える本10冊か20冊分に相当する。

そのとき、あなたの人生は変わっているだろうか?

間違いなく変わっている。

変わっていないはずがない。

けれども問題が１つある。

それは第１週目の１日日にあたる今日の時点では、それはすべて遠い将来の事である。

正しい選択をしても、少なくとも今日の時点では、それがもたらす成果は目に見えない。

今のようにボタン１つ、クリック１つで何でもできて、24時間ニュースが流れている世界では、それが問題になってしまう。

だが、成功というものはそんなふうに築かれるものではない。

成功とは価値あるアイディアを徐々に実現していくことである。

成功というものがプロセスであって到達点ではないことを、「徐々に」という言葉が表している。

成功は少しずつ時間をかけて築いていくもの。

失敗もまた同じだ。

実際、成功と失敗の差はごくわずかなもので、そこに至るまではその違いを見ることもできないし、気づくこともない。

本当の成功がどんなふうに築かれるかを表現するならば、他人から反応がある頃には、本当の仕事はすでに完了しているという言葉になる。

あなたの選択の結果が誰の目にも見えるようになり、なんて素晴らしい選択をしたんだと言われたり、運の良さを褒められたりするようになる頃には、あなたが下した重要な意味を持つ選択ははるか過去のものとなっている。

あなたが実際にその選択を下した時点では、おそらくあなた以外には誰１人としてそのことに気づいていないだろう。

スライト・エッジの力を理解していなければ、あなた自身も気づかなかったことだろう。


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