第15章 スライト・エッジ習慣を身につけよう P367
習慣その7:スライト・ エッ ジを誠実に実践する
誰もが知っていることだが、ビジネスを立ち上げるときは失敗する確率が高い。
その大きな原因は資金が十分ではないことにあると世間では言われている。
確かに、資金というのは重要だ。
だが、目には見えず認識されることもない別の原因があることも多く、それは資金不足と同じくらい失敗の大きな原因となっている。
その原因というのはスライト・エッジ・インテグリティの不足である。
インテグリティには「誠実さ」 「正直さ」「言行の一致」を含む多くの定義がある。
その中でも誰も見ていないときでも実践するというのが、スライト・エッジに最も関連のある定義だ。
長くてきつい1日が終わり寝る時間になると、あなたは疲れ果てている。
ベッドに向かうとベッドサイドには1冊の本が置いてあり、その本があなたを見つめている。
あなたは1日10ペ-ジずつ読むと自分に誓ったばかりだ。
だが、へとへとに疲れている。
ちゃんと目を聞けていられるかどうかすらあやしいものだ。
どうしたものだろう?
あなたは自分に向かってこうつぶやく。
「今夜だけ10ページ読むのをさぼったところでどうってことはないんじゃないか?」。
あなたの言い分は、全くもって正しい。
読んでも読まなくても、大きな違いはないだろう。
大したことじゃない。
だが、その瞬間にあなたは自分の正体を見ることになる。
自分以外に見ている人は誰もおらず、これからも誰にも知られる心配がないうえ、その選択がごく些細な取るに足らないものであるというようなとき、そういうときに自分が下す決断で、自分にスライト・エッジ・インテグリティが有るのか無いのかが分かるのだ。
今日も感謝すべきことを新しく3つ見つけること。
腹八分で食事を終えること。
寒い日でもジョギングシューズを履いて30分間散歩すること。
約束した電話を(本当にかけたかどうか誰にも知られることがない場合でも)3本かけること。
誰にもというのは、自分以外の人にということだ。
スライト・エッジ・インテグリティは、起業家として成功するための大切な秘訣の1つだ。
自分の会社を持てば、あなたに仕事をしろと言う人も営業の電話をしろと耳元で怒鳴る人もいなくなる。
あなたがベンダーをきちんと把握しているか、帳簿が最新の状態になっているかをチェックする人もいない。
すべてがあなたにかかっている。
もう上司はいないのだ。
実のところ、最後の一文は正しくはない。
あなたにはちゃんと上司がいる。
その上司とはあなた自身だ。
自分の上司としての役目を果たしつつ、来る日も来る日も一貫してうまく仕事をしていくには、並々ならぬレベルのスライト・エッジ・インテグリティが必要になる。
正直に言うと、多くの起業家はスライト・エッジ・インテグリティを実践していない。
自分自身の上司になるという自由に毒されて、成功者になるために必要な枠組みを維持できなくなっている起業家が多い。
日々の小さな物事に対するスライト・エッジ・インテグリティがなければ、起こしてまもない会社というのは頭を水面より上に長くは出していられなくなる。
自分は起業家ではないし自分の会社も持っていないから、僕が今述べたことは自分には当てはまらないと思っているあなた。
驚かせることになって恐縮だが、あなたにお伝えしなければならないことがある。
それはあなたは起業家だし、自分の会社も持っているということだ。
実は、生きるということは起業家であるということなのだ。
巨大企業で働く何万人もの従業員の1人であるかどうか、1人でアイスクリーム・スタンドを切り盛りする個人事業主であるかどうか、家事を引き受けている専業主婦や専業主夫であるかどうかに関わらず、あなたは絶え聞なく進んでいく自分の人生の責任を1人で負っているのだ。
あなたの人生は未知の領域へと向かうアポロロケットであり、操縦士はあなたしかいないのだ。
あなたは小説家で、あなたが創作している物語は豊かな構想とイメージをふくらませる独特で生き生きとした登場人物に彩られている。
その物語があなたの人生だ。
あなたは長年にわたって上映される叙事詩的映画の脚本家であり、監督であり、プロデューサーだ。
あなたはエジソンのような発明家であり、フリッチョフ・ナンセンのような探検家でありエマーソンのような哲学者であり、スティーヴ・マーティンのような芸人であり、リンカーンのような政治家であり、ウィルバーフォースのような根気強い奴隷解放運動家だ。
あなたはこれらすべての役割をこなし、そのうえそれぞれの役柄が紡ぎ出すストーリーを糸にしてタペストリーを織り上げている。
あなたは意識していないだろうが。
大げさだと思うかもしれないが、誇張ではない。
あなたには大きなことができる。
僕がそう言えるのは、これまで人間というものを観察してきて、生きている人なら誰でも大きなことができるところを見てきたからだ。
ほとんどの人は大きなことを成し遂げたり経験したりすることはないだろう。
だが、そのプロセスがどのように働くかを理解してさえいれば、大きなことは誰にでもできるのだ。
その場に姿を見せよう。
一貫してその場に姿を見せよう。
前向きな見解を持って、一貫してその場に姿を見せよう。
長期的に努力しよう。
信念に裏打ちされた燃えるような願望を持とう。
進んで代償を支払おう。
そして、自分自身に誓ったことは誰も見ていなくて実践しよう。
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