生きかた上手
『伝え方が9割』
第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術
「イエス」に変える切り口:2
「嫌いなこと回避」
一方で、相手の嫌いなことからつくることもできます。
「こちら嫌いでしょ、だからやらない選択をしましょう」という切り口です。
こちらは、使いかた次第で大きな効果が期待できます。
芝生が踏まれて、困っています。
注意書きの立て札をつくるとき、どう書いたら人は芝生に入らなくなるでしょう?
「芝生に入らないで」→あなたのメリットでしかない。
「芝生に入ると、農薬の臭いがつきます」→相手の嫌いなことからつくり、あなたの願いを聞くこと(芝生に入らないこと)が相手のメリットに変わった。
ただ、「芝生に入らないで」と言われても、人は芝生に入るものです。
ストレートに要望を言うのではなく、相手にとって入りたくなくなるよう,「嫌いなこと回避」でコトバをつくるのです。
先輩コピーライターの小西利行さんから伺った、こんなエピソードがあります。
チカンが頻発する地域がありました。
住民は「チカンに注意」というポスターをつくり貼っていたのですが、ほとんど効果はありませんでした。
でも、そのポスターをあるコトバに変えたら、ぴたりとチカンが止まったというコトバがあるのです。
なんだと思いますか?
「住民のみなさまのご協力で、チカンを逮捕できました。ありがとうございます。」
なぜ、効果があったのでしょう?
それは、相手の「嫌いなこと回避」からコトバをつくったからです。
「チカンに注意」というコトバを貼ることで、はじめ住民の方はチカンが警戒して減るのではないかと期待をしました。
ですがほとんどどの効果はありませんでした。
それは、ステップ2を踏まなかったことにあります。
相手(チカン)の頭の中を想像していなかったのです(笑)。
チカンにとってみれば、「そう、注意してるのね」とだけ伝わったのです。
一方で、「住民のみなさまのご協力で、チカンを逮捕できました。ありがとうございます。」は、チカンの頭の中を想像してつくられたコトバでした。
チカンにとってみれば、「逮捕はされたくない」という点で、ここではチカンするのはやめようとなります。
住人のチカンを止めたいという願いと、チカンの逮捕されたくないという双方にとってのメリットがコトバになっているのです。
これは実際にあった「嫌いなこと回避」のお願いで、大成功したいい例です。
まったく同じお願いであっても、コトバを変えるだけで効果が変わってしまうのです。
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