『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

ポジティブ心理学の科学から出るパワフルな情報を、待ち望んでいる人々に届けるページです。

第1章 海辺の遊び人と億万長者 P25

イメージ 1

『失意の夜』
レッカー車が僕の車を運び去ったその夜、僕は信じられない思いで、がっくりと肩を落として座りこんでいた。さかのぼること数年前、大学の落第生だった僕は、胸くその悪い1日を味わった。
そして今度は、失敗した経営者として、失意の夜を迎えたわけである。
自分のみに起きた事が呑み込めなかった。
ずっと敗北者として生きてきた僕がある日、目を覚まして大学に戻り、死に物狂いで勉強に打ち込んだ。ビリで大学に入ったのに卒業するときはトップの成績だった。
その後5年間、大企業で働いてそこでもトップに登りつめると、それから5年と経たないうちに自分の会社を起こして、その会社もトップ企業に育てた。
自分を敗北者から成功者へと作り替えたのだ。
それなのに14年もかけて上へ上へと昇ってきた挙句、どういうわけかどん底に逆戻りだなんて。
ショートパンツ姿で気取って浜辺を歩き回っていたゴージャス・ジョージ時代より、もっとすっからかんになってしまった。
12年間も必死に努力を重ねてきたのは、一体何のためだったんだ?まったく訳が分からない。正義も論理もあったもんじゃない。
僕は再びティーンエイジャーに逆戻りしたかのように困惑し、筋の通らない世の中に腹を立てた。
人生はもともと不公平で、道理に合わないものなのか?
努力したところで意味がないのか?
自分の人生に起きた事について、僕がじっくりと考え始めたのはこのときだった。
今度はひらめきなんかじゃなかった。
オーランドのゴルフコースでのあのときは違っていた。
人生にスイッチなんてありはしない。
ものごとを一気に解決してしまうなんてできはしないのだ。
そんなやり方はもうやってみた。
その結果がこのざまだ。
今度こそは腰を落ち着けて、めちゃくちゃになった自分の人生を注意深く入念に系統立てて整理する必要がある。
そこには何らかの論理があるはずで、それを見つけなくてはいけない。
そこで過去を振り返ってみた。
僕は大学で落ちこぼれて海辺の遊び人となり、経済的には完全に落伍者だった。その後、オールAの成績で大学を出て、トップ企業のマネージャー、最先端産業のやり手起業家として成功し、経済的大成功を収めたこともある。
僕という1人の人間が、その両方を経験したのだ。
一体何が違っていたのか?
何が何だか分からない。
いや、ちょっと待てよ!
考えれば考えるほど、このめまぐるしい浮き沈みは、運の良しあしとか不測の事態のせいなんかじゃないように思えてくる。
そんなことであるはずがない。
自分がやっていることの中に、何かまずいことがあるのだ。
しかしその一方で、自分のやっている事が何から何までうまくいっていたときも明らかにあった。
だったら何が違うんだ?
自分が仕事をしてきた日々の中で、失敗だけではなく成功の鍵をも握る一連の経験を積んできたことが僕にはようやく分かってきた。
海辺の遊び人と百万長者の両方の眼が、毎日やっているちょっとした行いの中にあるのだと気づき始めたのだ。