第2章 第一の要素 P44
『欠けている要素』
英語で感情のことをエモーションというが、それはモーション（訳注：動き）が語源になっている。
自分がどんな感情を抱くかを自分で決めることはできない。
その時取り組んでいるハウツーに前向きになろうといくら自分に言い聞かせても、どうしてもそんな気持ちになれないこともある。
今日は体を鍛えることにとても前向きで、ランニングマシンで20分間走りたい気分でも、明日にはそんな気分になれないかもしれない。
成功への道を見つけるには、もうい段階踏み込まなければならない。
行為の背後には心の姿勢があり、心の姿勢の背後には見識がある。その見識が、哲学なのである。
それこそが欠けている要素であり、秘密の要素である。
つまり第一の要素だ。
成功をもたらす行為とはどのようなものかをハウツー本等で知ることも、成功につながる心の姿勢を持つことも必要だが、それを生みだし、きちんと機能させるのは、哲学なのである。
あなたが何を知っているか、それについてあなたがどう考えるか、そしてそれがあなたの行動にどういう影響を与えるか、それがあなたの哲学だ。
つまり、毎日のちょっとしたことについての考え方だ。それが本書のテーマである。
前向きな哲学は前向きな心の姿勢をもたらし、そこから前向きな行為が生まれ、それがよい結果につながり、前向きなライフスタイルができ上る。
それが前向きな人生だ。
逆に言えば、後ろ向きな哲学は後ろ向きな心の姿勢をもたらし、そこから後ろ向きな行為が生まれ、それが悪い結果につながり、後ろ向きなライフスタイルができ上るということだ。
