『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

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第4章 ありきたりな事をきちんとやる P102

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『ありきたりな事が勝利を収める』
何年も前に僕が起こしたピープルズ・ネットワークという自己開発訓練の会社については前にも少し触れたが、その会社のその後の話をしよう。
最終的にこの会社は営業人も含めて、四半世紀以上の歴史を持つより大きな別の会社と合併することになった。
この合併によって、2つの大きく異なる文化が衝突するという興味深い状況が生まれた。
第一に、製品ラインが全く違っていた(あちらは司法サービス、こちらは自己開発関連の教材及びトレーニングだった)。だが、それ以上に大きかったのは、双方の文化の違いだった。 
合併先の企業の営業人は非常に人数が多く、手腕に定評があり、業界ナンバーワンの実績を誇っていた。
しかし、自分たちのやり方に対するこだわりも相当強かった。「保守的」といえるだろう。
営業スタッフの多くは勤続10年から20年以上で、合併によってできた会社の約80パーセントはそういう人たちだった。
残りの20パーセントが我々新参者だった。
我々の文化は全く異なっていた。
うちの営業スタッフはこの種の製品の販売には定評も実績もないどころか、基本的には全く経験がなかった。
けれども保守派の人たちにはないものが、こちらには1つあった。
それはスライト・エッジの哲学だ。
われわれは仕事を円滑に進めるための基本行動を迅速にまとめ「10の基本理念(コアバリュー)」と命名した。
それは、しようと思えば簡単にできるが、しないで済ますのも同じくらい簡単なちょっとした事ばかりだった。
してもしなくても変わらない、したところで誰も気づきもしないような事だ。
一言で言えば、ありきたりな事である。
合併直後の状況を見ていた人にその後どうなるかを予測させたなら、「2つのグループの間でやり方に違いがあるのは確かだが、時間が多少かかるにしても、新しく来た連中がここでのやり方を理解して溶け込むようになるだろう」と言ったことだろう。
そういう予測をするのも無理からぬことだった。
事実、会議やトレーニングはすべて、保守派がコントロールしていたし、基本的に仕事の進め方は何から何まで彼らが牛耳っていたからだ。
ところが、現実にはそうはならなかった。
なぜならこちらの人数は向こうの4分の1に過ぎず、全社的なトレーニングや会議では全く発言権がなく、製品ラインに関する経験もない全くの新参者ではあったけれど、向こうにはないものがこちらにはあったからだ。
それは日々のちょっとした自己管理「10の基本理念」だ。
合併から5年も経たないうちに、保守派の人たちの多くが態度を変えた。
新参者たちが「10の基本理念」を実践することによって成功を収めているのを目の当たりにして、全営業スタッフの80パーセントが真似をするようになっていたのである。
同じ時期、会社の年間売上高は約7000万ドルから4億ドル以上へと急増した。
2倍でも3倍でもなく、5倍以上に跳ね上がったのである。