『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

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第11章 スライト・エッジをマスターしよう P254

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『小さな1歩の積み重ね』
物事の習得の世界とは、少数の選ばれた者だけが住む崇高な場所などではない。
私的な事、職業上のこと、精神的な事を問わず、どんな領域であっても、目的やゴールや夢を追求するというのは、持続的に改善し、学習し、洗練させていくスライト・エッジ的な旅である。
だが、その道の終わりに待っている高尚な状態が習得なのではない。その道の出発点にある精神の状態こそが習得なのである。
習得とはその道に足を踏み入れる行為であって、その道の終わりに到達することではない。
習得の域に達するためには、生まれながらにして人並み外れた能力を備えている必要はない。また、非凡な才能を持つ人たちだけにしか許されないものでもない。
早い時期に始めておく必要さえない。
スライト・エッジ曲線に乗って成功へと向かう旅は、それに乗りそこに留まりたいと望む人なら、誰でも参加できる。
ただしその道を知るには、日々の進歩というスライト・エッジのプロセスにどっぷりつかる必要がある。
スライト・エッジを習得し、ひいては成功と人生の達人になるために必要とされるスキルと意識は、そのようにして習得され磨きをかけられる。
必要とされるのは、最初の1歩を踏み出すこと。それだけだ。
赤ん坊のあなたはたった今、最初の1歩を踏み出そうとしている。周りの大人たちが動き回るとき、彼らが足を1歩ずつ交互に踏み出しているのは観察して知っている。
右足、左足、右足、左足と次々に足を踏み出す様子をあなたはじっと見ていたのだ。そこであなたはやってみる。
ためらいながら大きな第1歩を踏み出す。そして次の1歩に移ろうとしたところで尻もちをついてしまう。
もう一度やってみる。その後何度も繰り返す。
コーヒーテーブルの周りを伝い歩きする日々が続いた後、ママやパパの指を握りしめながら、片足をもう片方の足の後ろからぎこちなく前に出し、とうとう初めて2歩続けて歩む。
それが3歩、4歩と増えていき、やがて誰の力も借りずに1人で歩き出す。誇らしげに見守る家族の声援と喝采を受け、あなたはよちよちと1歩ずつ、新たに獲得したスキルを披露する。
そう、あなたはまさしく歩いているのだ。
歩くことを学ぶ過程で、あなたは転ぶことと立ち上がることのどちらに多くの時間を費やしただろう?
ほとんどの赤ん坊と同じように、成功(歩くこと)よりもはるかに多くの失敗(転ぶこと)を経験したはずだ。
だが、それは問題ではない。
あなたは習得の道を歩んでいたのである。
もうやめようと思ったことが1度でもあっただろうか?
「どうもボクは歩くのに向いていないみたい。それなら、これからもずっとハイハイするしかないかな。うん、それもそんなに悪くないな。よく考えてみると、それに慣れるのもそれほど難しくはなさそうだし...」なんて心の中で考えたことがあっただろうか?
もちろんないだろう。
あなたはすでに習得の道を歩んでいて、あなたはすでにマイスターだったのだから。あとは歩くスキルが追いつくのを待つだけだ。
終始転んでばかりいるのは本当に不愉快だし(転べば痛い思いをすることになるし)仰向けにひっくり返ったカブトムシみたいに床に転がっているあなたはそうとう間抜けな感じに見えただろう。
それでもあなたは挑戦し続けた。
それはなぜだろう?
なぜなら成功する人というのは、成功しない人がやりたがらないことをやるものだからだ。
素晴らしいのは、赤ん坊は誰もみな成功者だということだ。
赤ん坊のとき、人はみな、マイスターなのだ。人は誰でもそういうふうにできている。
人は生まれてきたとき、本能的にスライト・エッジを理解している。それなのに成功を引き寄せる生得の力、ものごとを習慣にする術を、4万回の「ノー」を経験する過程で手放してしまうのだ。
今のあなたの人生には、自分が心から欲しいものや自分に本当にふさわしいものを追い求めるのを諦めて、残りの人生をハイハイして過ごそうと決意している状況がないだろうか?
目標を設定し、そこに向かって努力し、それを達成するという能力を手放してしまってはいないだろうか?
もしそうなら、自分にこう問いかけなければならない。
「1歳にもならない赤ん坊だったときには難なくこなしていたことが、今の自分にはなぜそれほど難しく不可能なのか」と。
その問いに対する答えは悲しくもシンプルなものだ。
これまでの人生のどこかで、あなたは信念を失ってしまったのである。大人になりすぎて、小さな1歩を積み重ねることができなくなり、自分は絶対成功できないと思い込んで、まず何回か失敗してみるということができなくなった。
ちょっとした自己管理を長い期間続けていれば、やがては最も大きな山をも動かすことになるという、普遍的な真実に見切りをつけてしまったのだ。
スライト・エッジについてかつて知っていたことを忘れてしまったのである。
あなたは習得の道から外れてしまったのだ。
子供のように何度でも挑戦しようとする意欲を手放してしまうことには、危険が潜んでいる。「それは自分には絶対無理だ」などという考えを受け入れると、知らぬ間に危険を招き寄せてしまう。
その危険というのは、失敗を受け入れつつ小さな1歩を積み重ねることが持つ力を見限って、不満ながらも現状で妥協するということがたちまち習慣化することだ。
初めて何かを諦めるとき、そこには苦痛が伴う。
2度目もやはり辛いけれど、諦めることに少し慣れている。そして慣れというのは、なかなか心地良いものなのだ。それは静かな眠りへと誘う一酸化炭素のようなものだ。諦めれば諦めるほど、諦めるのはだんだん簡単になり、あなたはますます眠気を催すようになる。
紛れもない達成感が覚醒状態だとするならば、あなたはその状態から離れていき、成功はますますあなたの手から遠ざかる。
その理由が分かるだろうか?
ご明察、それがスライト・エッジ(あなたに不利に作用しているスライト・エッジ)なのである。気づかぬうちに人生が重苦しくなってしまう。95%の敗北者の世界へようこそ!というわけだ。
そういうときには、いつものようにコインを裏返して良いニュースを探せばいいのである。もう1度成功習慣に戻ろうと思えば、失敗習慣に陥ってしまったのとまったく同じくらい簡単に戻ることができる。
長く生きていればいるほど、それはますます簡単になる。
戻りたいと思ったら、あなたはいつでも習得の道に戻ることができるのだ。