第7章 幸せの秘訣 P159

　　
『再び僕の母から学ぶ』
　
僕が母と座って話をしていて、母が億万長者だったと知った日のことを覚えているだろうか?
　
僕はそのことについて何年も考えた。
　
そしてその話をしていたとき、その話の中の何かが僕の心を
打ったのだと今になって気づいた。
　
それは母のお金についての新事実よりももっと衝撃的な何かだった。
　
僕にハリケーンのような衝撃を与えたのは、母が文字通り億万長者だったことではない正直なところ、そのこともかなり大きなハンマーで打たれたぐらいの衝撃ではあったけれど)。
　
それ は何か別のこと、何年もあとになってやっと気づいたことだった。
　
あまりにも明らかで、あまりに もありふれたことだったので、以前の僕はそのことにきちんと目を向けたことがなかった。
　
母は金持ちだっただけではなく、幸せだったのだ。
　
そのことに気づくと、僕はそれが不思議でしかたがなくなった。
　
母はいったいどうして幸せだったのだろう?
　
それだけの大金を密かに貯めこんでいたのだから、安心感があったのは間違いない。
　
しかし母の暮らしぶりは、相変わらず信じられないほど質素なものだった。
　
どこにお金を預けていたのであれ、日常生活の中では目にすることはほとんどなかった。
　　
それに、それだけの大金を金がなかったその頃も貯めるには何十年もかかったはずだが、振り返ってみると、僕が子供だった頃、わが家にほとんど、お金がなかったその頃も、母は幸せだったことに僕は気づいた。
　
母はいつでも幸せだったのだ。
　
どうしてそんなことが可能だったのだろう?
　
当時の母の暮らしが楽ではなかったことはたしかだ。
　
僕は手に負えなかったし、弟や妹もいた。父は叩50歳の誕生日を迎えるずっと前に亡くなっていた。
　
母の境遇は、母の幸せを保証するものにはとうてい見えなかった。
　
それでも母は幸せだった。
　
母の幸せの秘訣を（そしてスライト・エッジのもう1つの決定的な要素を）僕が理解しはじめたのは、それから何年も経って21世紀に入ってかなりしてからのことだった。
　
　
#SlightEdge　#幸せの秘訣　#ありきたりな事をきちんとやる　#コミュニティー