第14章 スライト・エッジ同盟を活用しよう P329
「「推進力」を利用する」
僕は、非常にシンプルで日々容易にできる行動を通じて成功するビジネスを構築する方法を人々に指導している。
それは第4章で話したあの合併の後に、僕たちのチームが用いた「10の基本理念」のようなやり方だ。
ビジネスを構築するためには1週間毎日1つの行動を起こすほうが、7つと10とか20もの行動を1度に起こしてからその週の残りを休みにするよりもはるかに有効だということを僕は発見した。
来る週も来る週も1つの行動を起こし続ける人たちは成功するビジネスを構築するが、1度にいくつもの行動を起こしたあとまとまった休みを取るグループは、毎日1つの行動を起こす人たちよりも多くの数の行動を起こしたとしてもうまくいかない。
それはなぜなのだろう?
推進力がないからだ。
6日間休んだあとでは、あらゆることを最初から始めなければならない。
ギアを入れ替えて、行動を起こせるように自分の気持ちを奮い立たせることが必要になる。
これにはかなりのエネルギーを使うだろうし、新たな行動を始めるための第1歩が必要になるだろう。
だが、ひとたびスタートを切ってしまえば、それをやり続けるために使うエネルギーはずっと少なくて済む。
1週間毎日1つずつ行動を起こすほうが、1日に7つの行動を週に1度だけ起こすよりも優れている理由がもう1つある。
それは日々のリズムによって自分が変わり始めるということだ。
毎日1つの行動を起こすことがルーティンの一部となり、やがて自分という人間の一部になるのである。
ほんのたまに全力で頑張るというのでは、そうはならない。
朝と夕方に20分間、速足でのウォーキングをし、家のジムでも20分間の運動をすると想像してみよう。
それを1週間毎日続けたとしよう。
さて7日目にはどんな気分になるだろう?
次に、初日に朝と夕方の2回 、140分間(すなわち2時間以上)のウォーキングをし、そのあと家のジムでも140分間の運動をするとしたら(そしてその後の6日間は何もしないとしたら)どんなことになるだろう?
競争に勝つのは、着実に進む者なのだ。
進んでいる方向にプラスの変化を起こすのは、動いているときのほうがはるかに簡単だ。
車の運転のようなもので、止まっている車のタイヤの向きを変えるのは一苦労だけれど、動いてさえいれば時速20キロか30キロの速度でも、タイヤの向きを変えるのは朝飯前なのである。
すでに流れに乗っているから、簡単にできてしまうのだ。
スライト・エッジは流れだ。
そして自らのペースで、自らにとって最適な速度で、目的地に向かって自動的に進んでいく。
スライト・エッジを理解するということの中には、流れに乗って進むということを学ぶことも含まれる。
好きな速度で突っ走ることもできるだろうが、それではスライト・エッジを無視することになる。
あなたの同意があろうとなかろうと、スライト・エッジが動いていることにあなたが気づいていようがいまいが、スライト・エッジは常に自らにとって最適な速度で動いている。
体操競技の世界大会優勝者、ダン・ミルマンの名著『癒しの旅(ピースフル・ウォリアー)』(徳間書店)では、このことがうまく表現されている(ちなみにこの本は、僕のお気
に入りの冊だ)。
流れに乗れ。その流れと共に流れて行けばいいのだ。
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