第15章 スライト・エッジ習慣を身につけよう P352
「行動を変える」
習慣その2:一貫して行う
ウディ・アレンによれば、成功の80パーセントはその場に姿を見せることにあるという。
この見解に僕は心から同意する。
だが、一言だけ付け加えさせていただきたい(成功の80パーセントは毎日その場に姿を見せることにある)と。
自分の行きたいところへと自分を導く真実が1つある。
その場に姿を見せることと同じように欠かせないことだが、姿を見せることが持つ力を大きく増幅させるもの。
それは一貫性だ。
「一貫して」その場に姿を見せ続けるところに、魔法は起きるのだ。
プロ野球の殿堂入りを果たしたトム・シーバーは、このことを完壁に表現している。
野球における僕のセオリーは、数字を気にするのではなく、一貫して努力するということだ。統計上の数字にこだわっていると、目先のことしか見えなくなる。一貫して努力すれば、数字はあとからついてくる。
おじけづくような新入生向けオリ エンテーションのあとで、僕はアンバーにこう言っ て聞かせた。
「毎日大学に顔を出すだけではなく1日に少なくとも2時間は勉強して、その効果を増幅させなければならないよ」と。
軌道を逸れてしまうのもキャンパスライフに夢中になるのもどれほど容易いことかを、僕は知っていた。
授業をさぼってキャンパスライフの一部となる活動に参加しようと、新しくできた友達がアンバーを誘ってくるであろうことも分かっていた。
学業を怠けた挙句、一夜漬けの試験勉強をすることになるという悪循環に陥ることも分かっていた。
そこで僕がアンバーにどんな助言をしたかつて?
そんなことは他の人たちに任せて、毎日授業に出席しなさい。
そう助言した。
「毎日授業に出席し 、それ以外に1日2時間勉強する。それだけのことだよ」と僕は言っ た。
それほど難しいことではない。
それどころか、むしろ簡単なことだ。
ただし、しないで済ませることも同じくらい簡単であることは言うまでもない。
3週間後、アンバーが電話をかけてきてこう言った。
「パパ、私のクラスメートは400人もいたのを覚えているかしら?だけど今、授業に顔を出しているのはたったの人だけなのよ」。
退学者はいないというから、講義を取っているのに最初のテストすら受けなかっ たということだ。
たった3週間という期間で、クラスの80パーセントがいなくなってしまったのだ。
それが世界のありようなのである。
平凡な生き方が主流になる理由はここにある。
95パーセントの人々が失敗曲線上の住人となり、5パーセン
トの人たちだけが成功曲線上に生きている理由もここにある。
授業に出席する、そしてそれを一貫して続けるという2つのことをすることによって、アンバーはその4年後、ビジネスのクラスでトップという成績で大学を卒業した。
他のどの学生と比べても、アンバーのほうが優秀だったわけでも頭の回転が速かったわけでもない。
他の学生は誰もかれも選りすぐりの秀才ぞろいだった。
だがアンバーには、他の学生たちにはない際立った強みがあった。
それは他のみんなが自分とは正反対のことをしていても、自らを駆り立てて軌道から外れないようにするという哲学だ。
何があろうと毎日実践し続けるその哲学があったからこそ、アンバーは毎日授業に出席して成功を収めることができたのだ。
取り組むことが何であれ、毎日その場に姿を見せるということを自分に課すならば、戦いのゆうに半分以上は勝ったも同然なのである。
あとはスキルを磨き、知識を増やし、自分を駆り立て、やり抜くだけだ。
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