第10章 人生の2つの道 P230
「人が飛ばない理由」
社会科学の研究によれば、人は5歳になるまでに(まだ小学1年生にもならないうちに)「NO」という言葉をおよそ4万回耳にするという。
では「YES」という言葉はどうかというと、およそ5000回だ。
「 ノー」のほうが「イエス」の約8倍も多いのである。
つまり人を引き上げようとする力と比べると、押さえつけようとする力のほうが8倍大きいということだ。
空高く舞い上がりたいという願いに対して、8倍の重力がかかるのである。
「そんなことしちゃダメ!猫背にならないで!熱いんだからそれには触らないの! 知らない人と話しちゃダメよ。いいえ、夜更かしは許しません。いけません、もっと大きくなってからじゃないと。今は時間がないからダメ。ノー、ノー…」
これらの「 ノー」の大部分が、子供のためを思う気持ちから出ていることは確かだ。
警察のモットーのようなもので、保護と奉仕がその目的なのだ。
だから「ノー」という言葉を非難するつもりはない。
けれども、「イエス」という言葉はどこにあるのか?
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