生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅰ.何事もとらえかた次第
健康とは、数値に安心することではなく、自分が「健康だ」と感じることです。
「基準値・平均値はアバウトでいい」
健康を維持するのは、めいめいの努力です。
健康診断を活用するのも結構です。
からだの状態を客観的に把握できますし、自覚症状のない病気を早期に発見できるかもしれません。
けれど、検査データに一喜一憂する必要はありません。
もっと大雑把でいい、アバウトでいいのです。
基準値や平均値に私たちはとらわれやすいですが、基準はあくまで目安であって、あなたの最適値ではありません。
しかも、基準というのは変わるのです。
かつて100mg/㎗より高いと糖尿病が疑われた血糖値は、20年ほど前に110mg/㎗になり、先ごろ126mg/㎗まで引き上げられました。
いままでは糖尿病への危険性を、あまり縁のない人まで真剣に気づかっていたというわけです。
高齢者の定義にしてもそうです。
40年ほど前は55歳で「老人」とよばれましたが診ている医師たちが55歳近くになると「いや、60歳くらいが妥当かな」と。
さらに医者が60歳を迎えるようになって「いやいや、65さいからだろう」と。
いまに高齢者の境は70歳になって、20年先には75歳になる、とわtあしは見ています。
基準は絶対的なものではありません。
「65歳を過ぎたから、もう、老人だ」と、自らの老いを認めてしまわないことです
「コレステロールはここまで抑えなきゃ」とか、「これはこうでなくっちゃ」と健康基準になるものにがんじがらめになるのも愚かしいことです。
数値にあまりふり回されないのも、生きかたのコツのひとつです。
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