生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅰ.何事もとらえかた次第
医学が進歩するほど、病人が増えていく矛盾
誰しも、病気一つせず、若いころのままの体力を維持したいと望みますが、それは日ごとにむなしい望みに変わります。
どんなに健康維持に心がけても、からだは老化し、病気にもかかりやすくなります。
それが、朽ちるからだを持った私たちの定めです。
心身に欠陥がないことを健康というのであれば、「健康」と太鼓判を押せるのは、生まれたての赤ちゃんくらいなものです。
健康を抜きにして、いきいきと生きることはかなわないのでしょうか。
そうであれば、私たちは生まれた瞬間からお先真っ暗です。
さらにこの先医学が進歩して検査機器の精度が上がれば、より小さな欠陥や異常があらわになる。
そうなると、赤ちゃんの健康もあやしいものです。
悲しいかな、医学が進めば進むほど、病人が増えていくばかりです。
けれど、検査機器に「病人」と判定されようとも、私たちはいきいきと生をまっとうすることができます。
健康であることと内的に健康感をもっていることは別なのです。
ここを、医者を含め私たちははっきりと分けて語るべきでしょう。
90歳になる私の心臓を念入りに調べたなら、動脈硬化はあるに決まっています。
それでも私はどんな朝も爽やかに目覚めます。
すがすがしいほどの健康感があります。
それで十分であり、それこそが大切なのです。
暑ければ暑さに順応する。
睡眠時間が足りなくても、いまが踏ん張りどきなら、気力で乗り切る。
ストレスを受ければ、それを上手にかわす術を見つける。
年をとったためにからだの動きに支障が出てきたら、そのことに注意をして行動する。
あなたの置かれている環境や状況はそのときどきに変わります。
その変化に自分を上手に適応できることは、健康であることの一つの証です。
健康はつねに変わらない状態を言うのではなく、個々人にその対応が任された、応用自在なものであるべきなのです。
きのうのあなたと今日のあなたがちがうように、健康もあなたとともに姿を変えます。
環境の変化を読む熟練した舵取りは、医師ではなく、あなたのことを一番よく知っているあなたがとるべきだということを忘れないでください。
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