生きかた上手
『伝え方が9割』
第3章「強いコトバ」をつくる技術
「強いコトバ」をつくる5つの技術
⑤クライマックス法
寝ている人も目を覚ます、強烈なメッセージ技術
人の集中力は、20分といわれています。
ですから授業や会議の後半に、集中力がとぎれてしまうのは仕方ありません。
「眠くなるのは、やる気がないからだ」という精神論はナンセンスです。
もともと人間はそこまで集中力を保つことができないのです。
その一方で、スピーカー側からすると自分がせっかく話しているのに、相手に眠られてしまうほど屈辱的なことはないですよね。
この「クライマックス法」は、とぎれかけた相手の集中力を戻し、あなたの話にもういちど食いつかせることができる技術です。
私は大学で講座を持っていますが、学生は正直です。
つまらなければすぐに寝ます。
講義の後半になると聞き手の疲労度を見て、私はこのコトバを使います。
「これだけは覚えてほしいのですが、~」
もちろん覚えてほしいポイントでもあるのですが、実は、聞き手の集中スイッチを入れ直すことが主の目的で使います。
クライマックス法は、あなたが伝えたいと思っている相手に「これから重要な話が始まるんだ、聞いておかなくては!」と思わせて集中力をこちらに向かせる技術です。
このクライマックス法は、ロケット発射直前の「3,2,1」と同じです。
そのアナウンスがあるといやが上にも期待が高まりますよね。
カウントダウンが聞こえたとして、その方向を向かないでいられる人は、非常に数少ないはずです。
今までは、ロケット(伝えたい話)をカウントダウンなしに打ち上げていた方も多いと思います。
相手とするなら、知らない間、他のことを考えている間にロケットが飛んでいたということがあるでしょう。
事前にカウントダウンを伝えてあげることで、あなたの伝えたいことが的確に集中力をもって聞いてもらえるようになります。
この他にも、クライマックスをつくるのには以下のようなコトバがあります。
「これだけは覚えてほしいのですが、~」
「ここだけの話ですが、~」
「他では話さないのですが、~」
「誰にも言わないでくださいね、~」
「これだけは、忘れないでください、~」
「一言だけつけくわえますと、~」
「ワンポイント・アドバイスですが、~」
「3つのことがあります、1つ目が~」などです。
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