『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

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第12章 自分に投資しよう P288

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『学びのリズム』
ジ ェームズ・アレンの名著『「思いのパワー」がすべてを決めてい る』(三笠書房)のような本は、読んだあと本棚に戻して1年後に再び読み直すと、まるで僕が眠っているうちに誰かがこっそり部屋に忍び込んで丸ごと書き直したかのように感じるものだ。
実際、僕にはこういうことが始終起こる。一度読んだ本だけでなく、何度も読んだことのある本であっても、読むたびにあらゆる種類の洞察を発見したり再発見したりするのである。
それはなぜだろう?
それは本を読み直すまでのあいだに、僕が行動を通じて学んだことがあるからだ。経験が僕の視点を変えたのである。だから著者の書いた一節や主張を読むと、-年前の自分にはできなかった拠え方ができる。そしてその新たな捉え方が、僕の行動に影響する。
本を読んだ翌日に何らかの活動をしようとすると、アレンから学んだことをほんの24時間前なら考えつかなかったやり方で活用することができるようになる。
「実践を伴わない知識は役には立たない」と孔子は言 ったが、この言葉には続きがある。それは「 そして知識を伴わ・ない実践は危険なものだ」というものだ。
人生から学ぶ知識のほうが本から学ぶ知識よりも優れているというわけではない。両方とも重要なのである。孔子が言 っているように、どちらが欠けても役に立たなかったり危険だったりするし、そんな状態では成功曲線に乗れないことは確かだ。
本から学ぶ知識と人生から学ぶ知識。
勉強による学びと行動による学び。
本を読み、読んだことを活用し、行動して確かめる。
そしてその実践的経験を読書に活かして、理解を深める。
そしてその深まったまった理解を再び行動に活かす。
学びとはそのように永遠に続くサイクルであり、学びの1つの側面がもう1つの側面に活かされる。
はしごを登るのと同じように、右足、左足、右足、左足と順番に踏み出すのである。右足だけではしごを登ろうとするなど、想像できるだろうか?
その2つがリズム良く連携すると相互に高め合ってよりうまく機能するのだが、別々だと全く機能しない。
たとえ機能したとても長期間はもたない。
勉強を通じて学んだ知識だけを基に秀でることはできないし、行動を通じて得た知識だけを基に抜きん出ることもできない。2つは連携しなければならないのだ。
勉強し、行動に移す。すると行動があなたの視点を変える。こうして新たな視 点に立つと、さらに多くのことが学べるようになる。そこであなたはもっと学んで、行動を通して 経験したことに対する洞察が深まり、その新たな洞察を踏まえて改めて行動に取り組む。このよう に両者の問を何度も往復するのである。
この往復のリズムには何ものにも代えがたい価値がある。
なぜならそれは単なる学びのリズムで はないからだ。
それは成功のリズムなのである。
赤ん坊のあなたが最初の1歩を踏み出した瞬間に習得し始めたものである。それどころか、歩く段階にすら達しないうちに学んだものであり、歩くよりももっと基本的なものなのだ。
心副学者は、人間が習得する行動の中でハイハイが最も重要な行動の1つであることを発見した。なぜならハイハイは、脳の神経回路の発達と学習能力に深く影響するからだ。
右手と左足、左手と右足の組み合わせを交互に繰り返すハイハイのリズムが神経系に作用して、寄せては返す波が海岸線を形成するように、その後の人生におけるより次元の高いあらゆる種類の学びと気づきに備えて神経系を発達させ形作るのである。
英語には「歩く前にはハイハイしなければならない」という表現がある。この表現には、ほとんどの人が気づいていないより探遠な真実がある。
ハイハイの持つ手足を交互に動かすリズムと反対側の手足の動きを協調させる能力は、スライト・エッジの極めて重要なスキルだ。
本から学ぶ知識と人生から学ぶ知識のバランスを取ることも、次の項で取り上げる軌道修正という日々の成功戦略も、このスキルの1つの側面である。