『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

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第8章 波及効果 P187

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『成功の代償』
人が自分を開発したいと思うのは、自分にはもっとできる、もっと大きな人生を送ることができる、もっと多くの人々に触れてもっと大きなものを後世に残すことができると思うからだと、私はいつも感じていました。
自己開発を極め、非常に成長したものの、それ以上には決して進めない人たちを私は見てきました。
私にはそれは、せっかくの知識を浪費しているようにしか思えません。
人は誰でも、才能や情熱やビジョンが唯一無二の組み合わせで混ざり合ったものを与えられていて、それを大きなステージの上で開花させるために生まれてくるのだと私は信じています。
スライト・エッジの目的は、その才能や情熱やビジョンを最大限に実現できるようにすることなのです。
人は学び成長するために、そして自分を信じて自分の中にある偉大さを最大限に引き出せるようになり、それを世界と分かち合えるようになるために生まれてくるのだと私は信じています。
けれども、この偉大さには代償が伴います。
成長は豊かさを生み、豊かさは責任を生むのです。
成功すればするほど、より大きな偉大さに踏み込むことになり、より大きな豊かさを経験すればするほど、自分の周りの世界に対してより大きな責任を負うことになります。
偉大さを達成するというのは(それが何における偉大さであれ)単にそこにたどり着いたということではありません。
それは喜んで代償を払うということでもあるのです。
その代償というのが責任なのです。
さきほどウイル・スミスの話をしましたが、ここでもまた彼の言葉を引用したいと思います。近頃私は講演でその言葉をたびたび口にします。
なぜならその言葉は、私がこれまでお話してきたことの核心に触れる言葉だからです。
『自分がここにいたことで、世界がより良いものになって欲しい。
自分の人生、自分の仕事、自分の家族が、何らかの意味を持つようになって欲しい。
誰か他の人の人生をより良いものにするのでなければ、あなたは自分の時間を浪費している。
他の人の人生がより良いものになるのを助けることによってのみ、あなたの人生はより良いものになるのだ。』
彼はこのことを祖母から学んだそうです。
祖母は彼にこう言ったといいます。
「これからもここにいるのなら、変化をもたらす人にならなければいけない」と。
人はみな、自分が受けた恩(誰か他の人から授けられた知識や助言、またそれによって得られた自らの成長や成功)を恩人にじかに返すことなどできはしないのだから、それを誰か別の人に分け与えることで恩返しをしなければならないのだと思います。
どうすればそれができるのでしょうか。
この問題についてもっと掘り下げて考えてみたいと私は強く感じ始めました。
人々が自らを開発することの価値だけでなく、それが日常生活の中で周囲にいるすべての人々に届くようなさざなみを作り出すことの意義をも理解できるよう手助けするにはどうすればいいのだろう、そこからさらに進んでみんなが人類として1つになって世界を変えていくにはどうすればいいのだろうと。
文化人類学者マーガレット ・ミードの「思慮深く献身的なごく少数の人々が世界を変えられるということを、決して疑つてはいけない」という有名な言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
素晴らしい洞察ですが、スライト・エッジを知っていればこの言葉をもう一歩前に進めて、思慮深く献身的な1人の人聞が世界を変えられるということを決して疑ってはいけないということになると思います。
なぜなら、1人の人間の献身的で一 貫した粘り強い行動が波及効果をもたらし、それはやがて思慮深く献身的な数千人もの人々のグループを作り出すからです。
そしてそれが、何百万という人々へと広がっていくのです。