第7章 幸せの秘訣 P166

　
『自己開発と幸福』
　
数年前、幸福に関する記事や文献を読み始めたとき、僕はその内容にすっかり夢中になり、他の人たちにも読むように勧め始めた。
　
彼らがそうするようになると、不思議なことが起こっていることに僕は気づいた。彼らは、自己開発の記事や文献を読むときにはついぞなかったほど、幸福に関するものは夢中になって読んでいたのである。
　
僕はそのことについてじっくり考えずにはいられなかった。
　
過去数十年間の僕がそうだつたように、自己開発の世界で過ごしていると、人々が簡単にそれに背を向けたり、値するだけの信頼をそれに対して置かないのを見て、つい苛立ってしまう。
　
「 ああ、自己開発ね:・:」と、真剣に注目する価値のあ「本物の」テーマではないかのようにあしらわれてしまう。
　
しかし、どういうわけか幸せに関しては、そういうことにはならない。
　
それにはいくつもの理由があるのかもしれない。
　
ポジティブ心理学には、真剣な学術的研究が背後にあるという信頼性が元々備わっているというのがその１つ だ。
　
自己開発の分野は主として個人の私的な経験と、人の心をつかんで離さない指導者たち（ナポレオン・ヒル、ノーマン・ビンセント・ピール 、デニス・ウェイトリー、ブライアン ・トレーシー、ジム・ローンといった人たち）の教えによって推進されてきた。
　
一方幸福に関する分野は、まったく違ったかたちで誕生した。
　
それは主に科学的研究によって推進されてきたのである。
　
整った学究的環境と十分な裏づけのある数々の研究という知的な重みと信頼性を後ろポケットに入れて登場すれば、自己開発には決して通り抜けることのできなかった扉がいくつも開くというわけだ。
　
　
　
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