第8章 波及効果 P189
『マイリップル』
こうした考えを実用的なかたちにまとめたい、人々が自分の人生で経験している極めてポジティブなスライト・エッジ体験を取り上げて、それが他の人々の人生にも影響を与えるような何らかの事業や構造を作りたいと私は考えました。
そしてついに、新しいソーシヤル・ネットワークを立ち上げることを思いついたのです。
人々の個人的な自己開発と、それが世界にもたらし得る波及効果を促すことを狙いとするソーシヤル・ネットワークです。
このアイディアを父に打ち明け、一緒に取り組んでもらえないかと尋ねると、父は承知してくれました。
私たちはそれをマイリップルと名づけました。
私たちはすぐに猛烈な勢いで動き出し、この新しいソーシャル・ネットワークを立ち上げるために必要なすべての要素を構築し始めました。
ソーシャルメディアのプラットホームを中心に置くと 同時に、ライブ・イベントその他も計画して、1つの運動全体を作り出す総合的なビジネスプラン をまとめあげました。
開発者も雇い入れてソーシャルメディア・プラットホームを作成し、すべて の ページのテクニカル・レイアウトを決めるところまでこぎ着けました。
ネットワークのキャッチフレーズも決まりました。
「1人1人が責任を負い、みんなで世界を変えよう」というものです。
すると、コンセプト全体を新しい方向へと導く出来事が起きました。
まったく新しいベンチャー企業が私たちのもとを訪れてきたのです(父が第5章『急ぐならゆっくり進め』でお話しした会社です)。
そのとき私は、とことん自分を省みる必要に迫られました。
この新しい会社で働きたいと心から思いましたが、それは私の体力と精神力のすべてを吸い尽くしてしまうことが目に見えていました。
けれども私は、マイリップルについての自分のビジョンをどうしても実現させたかったのです。
世界を変えるというビジョンを中心として人々が一体になれるような方法を作り出すというアイディアを諦めたくありませんでした。
そして気づいたのです。
私がマイリップルでやりたかったことはすべて、新しい会社でもできるのだと。
そして私たちはまさにそのとおりのことを実行しました。
新会社が誕生して6カ月ほど経ち、そろそろ足場が固まりつつあった頃、私たちは「あのさざなみというコンセプトをビジネスにどう組み込めばいいのだろう?」と考え始めました。
「波及効果」を会社全体の中心テーマに据えると決めるまでに、あまり時間はかかりませんでした。
そのとき以来、幸運にもマイリップルのビジョンが実現するのを目の当たりにしてきました。
私が最初に想像したかたちとは少し違っていますが、多くの点でよりよいものになっていると思います。
これによって私は数千人、いずれは数百万人もの人たちに接することのできる場を与えられたのです。
とりわけ、若い人たちにそこに集っていただきたいと願っています。
#SlightEdge #幸せの秘訣 #ありきたりな事をきちんとやる #コミュニティー