第11章 スライト・エッジをマスターしよう P266
「ギャップを埋める」
では、もう1つの方法とは何だろう?
さきほど僕は張力を解消する方法は2つあると言った。
2つ目の方法というのは、あなたに不利に働く方法だ。
現状(A:現在の自分)を絶えず目標や夢(B:理想の自分)に近づけていくことによってギャップを埋めようとしないのなら、張力を解消するどんな方法が他にあるだろう?
それは夢見ることをやめてしまうことだ。
自分の夢、目標、野心、願望をすべて手放してしまうのだ。
現状で妥協するということである。
B:理想の自分を消滅させよう。
削除してしまえばいい。
そうすれば、張力も消えてしまう。
悲しいことに、失敗曲線上を歩む95%の人たちが最終的に選択しているのがこの方法なのだ。
そんなにも多くの人たちがなぜこの道を選ぶのかを理解するのは難しいことではない。
結局のところ、A(:現在の自分地点)に立って遠く離れた
B(:理想の自分)地点を眺めていると、はるか彼方にあるように見えて簡単におじけづいてしまうのだ。
人は最後までやり通せないと思ったら、その道に足を踏み入れようとさえ思わない。
「わざわざ試してみても仕方がないじゃないか。あんなに大きな山に最初の1歩を踏み入れて何になる?どっちみち僕には頂上に到達するなんでできっこないんだから」というわけだ。
気の遠くなるような旅に思える場合、ゃるのは簡単だとはなかなか思えず、やらずに済ますのが簡単だという考えの方がはるかに魅力的に感じる。
スヌーズボタンを押しでもう一眠りしよう。
どちらにしても大した追いはない、そうだろう?
だが、思い出してほしい。
あなたは成功か失敗か、どちらかの方向に進まなければならない。
じっと立ち止まっていることはできないのだ。
宇宙は曲線を描いていて、あらゆるものは絶えず変化している。
可能性は2つしかない。
現状を手放して理想の地点へ到達するのか、それとも現状にしがみついて理想を諦めるのか。
夢に向かって進むのか、夢を諦めるのか。
なり得る自分に手を伸ばすのか、それとも今の自分に甘んじるのか。
中間を取るということはできないのである。
それがスライト・エッジであって、何もしなければ下降するしかないのだということを思い出してほしい。
選ぶのはあなた自身だ。
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