生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅴ 治す医療から癒す医療へ
心とからだを切り離した、近代医療のまちがい
心が癒されると、からだの具合までよくなることもあれば、その逆もあるように、私たちのからだは実に深く複雑にかかわり合っています。
心とからだ、どちらか片方だけ診て、それを修復する手立てを講じたところで、患者さんの抱える問題は解決されません。
そのことを、古の人たちは現代人よりはるかによく理解していたと思われます。
2500年前の古代ローマの時代から、音楽が、人の心ばかりか、からだの不調をも癒すらしいことは広く知られていました。
当時の医学レベルは、いまと比べれば未熟そのものですが、それを補うように、医術のなかにごく自然なかたちで音楽がとりいれられていたのです。
『旧約聖書』には、サウルという王子様のうつ病を、少年ダビデが竪琴を奏でて癒したという話がありますし、似たような話は、洋の東西を問わず数多く見られます。
中国の思想家・孔子(前551~479)も、「美しい蕭の調べを聴いていると、ごちそうを食べる楽しみさえ忘れてしまう。蕭の音は心を穏やかにする」と言ったというような話しが、『論語』に書かれています。
本来医学は、「病を治す」以前に「患者を癒す」ことを使命としていました。
しかし、現代の医療は、医の本質からどんどん遠ざかっています。
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