生き方上手
『人は話し方が9割』
1分で人を動かし、100%好かれる話し方のコツ
第3章 人に嫌われない話し方
30 人を叱る時は、相手への「敬意」を忘れずに
● 叱る相手に、なぜ「敬意」が必要なのか?
人を叱る時や悪いことを指摘する時は、どうしたらいいのでしょうか?
「青手の存在を尊重する」
言いにくいことを言う時も、この原則は変わりません。
むしろ、意識的に敬意を伝えるべきです。
というのも、𠮟責や指摘は、どうしても「目上から目下へ物申す」になりがちで、努めて意識しないと敬意が置き去りになってしまうからです。
高圧的な物言いで、力ずくで相手を動かすことは現実的には可能でしょう。
しかし、それは「強制」であり、強制で相手が自分で考え、いい方向に向けて行動を起こすことはありません。
相手が部下であれ後輩であれ子どもであれ、こちらが敬意を込めて接してこそ、本当の意味で一人前に育ち、自由に羽ばたいていけるのです。
叱るというのは、相手の間違いを指摘するということですから、どうしても感情的になりがちです。
そこに敬意を込めるのは一見難しいように思えるかもしれません。
しかしコツをつかめば難しくはありません。
さっそく見ていきましょう。
まず言ってはいけない言葉は次の2つです。
「君はダメだ」
「君のやっていることは意味がない」
「君はダメだ」は、相手の人格を否定してしまっていますし、「君のやっていることは意味がない」は、相手から行動の「意味」を奪ってしまっています。
人はどんなことであれ、自分が見出した「意味」に従って行動するものです。
講堂の意味を奪うということは、相手の存在を否定するということ。
これをしてしまうと、相手の自己肯定感はズタズタになり、何もできなくなってしまいます。
● あなたの「叱る」に「労い」はあるか?
では、敬意を込めて叱るコツとは何でしょうか。
ポイントは、まず、がんばって物事に取り組んでいた相手を労うこと、そして相手の意図に理解を示すことです。
「望ましくない事態になっているけれど、君のがんばりや意図は、私には通じているよ」と示すことです。
そしてもう1つ、「自分が相手に対してどれだけ敬意と期待を抱いているか」という視点を盛り込むことです。
「君ともあろう者が、こんなミスをするなんて」
「どうしたんだよ、君らしくない失敗だな」というニュアンスをしっかり伝える。
こうした言い方は叱責であるとともに、敬意の1つの形とも言えるのです。
そして、最後に「大丈夫、君ならできるとわかっているから」と、あらためて期待を伝える。
そうすれば、相手は叱られても自信を失うことも委縮することもなく、「よし、次こそは期待に応えるぞ」と奮起します。
最近は、「パワハラ」「モラハラ」というコンプライアンス観が普及したこともあり、部下をどう叱ったらいいのかと悩む上司が増えています。
しかし、どんな時代でも相手の将来を考え、敬意を込めた叱り方のできる人は、必ず人から慕われます。
〔話し方例〕
「部長、申し訳ありません。〇△社からの受注の件ですが、先方の担当者と見解の相違があったことがわかり、予定通り進められなくなってしまい…、今期の売上に計上できなくなってしまいました」
「そうか。がんばって進めていると思っていたけど、君ともあろうものが、そんな詰めの甘いことをするなんてな…。でも大丈夫。君なら大きな取引にできるってわかっているから、交渉を続けて」
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