生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅳ いきいきと生きる
人は生きかたを変えることができる
人生とは習慣である
人生は、一言で言えば習慣です。
アリストテレス(前384~322)であり、習慣が人間の性格や品性を創ると言っています。
習慣に早くから配慮した者は、おそらく人生の実りも大きく、習慣をあなどった者の人生はむなしいものに終わってしまいます。
習慣は日々の積み重ねですから、それが習い性になってしまえば、その後はつらいとも面倒だとも感じなくなります。
よい習慣をからだに覚え込ませればよいのです。
鳥は生まれついた飛びかたを変えることはできません。
動物は這い方、走りかたを変えることはできません。
けれど人間は生きかたを変えることができます。
それは、人間だけがいのちに終末があることを初めから知っているからです。
かぎりあるいのちをどう生きようか、と生きかたを考えることができるのは、人間にだけ許された特権なのです。
「人間は死に向かっ成長する」と、精神分析学者のエリクソン(1902~94)は言いました。
年とともに肉体は衰えても、心はつねに生きる意味を探求しながら前進できることは、なんとありがたいことでしょうか。
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