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生きかた上手


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Ⅵ 死は終わりではない
 
「ありがとう」のことばで人生をしめくくりたいものです。
 
患者さんの死に学ぶ
 
死にゆき姿は、その生きざま同様に、一人として同じということがありません。

死は各人各様の「生の最後のパフォーマンス」であると、つくづく感じます。

私と大学の同期であり医師であった友は、自分のがんを自分でみつけました。

見舞いに訪れた私に向かって、彼は、「ひと足お先に行くよ」と、実にさわやかに片手を上げて見せ、その翌日、73歳の生涯を閉じました。

39歳の誕生日をご主人と病室で祝いながら、「私まだ若いから、天国で誰かにプロポーズされるかもしれないわ。後に残るあなたのほうが心配」と、ご主人に微笑みとユーモアとやさしい気づかいを残して逝った女性もありました。

また、2人の息子の母であり看護婦であった別の女性は、突然自分を襲った病の重大さを知ると、9歳の長男には16歳になるまでの誕生日のお祝いカードと高校入学祝いのカードの計8通を、7歳の次男には14歳になるまでの誕生日カードと中学入学祝いのカードの計8通の手紙を病床でつづりました。

1分間の呼吸数が10を切った臨終と床で、幼い子どもたちはそれぞれ、「お母さん9年間ありがとう」「7年間ありがとう」と、母親の耳元にささやきました。

残念ながらさいきを最期を迎える人もいます。

若い医師でしたが、主治医に本当の病名を知らされないまま、「だまされた」と、無念のことばを残して亡くなりました。

私が今もって忘れえないのは、私が医師として初めて受け持った16歳の少女の死です。

仏教への信心の深い少女でした。

自分がもう長くないと悟った彼女は、私に母親への別れの伝言を託そうとしました。

けれども私は、そのときにいたっては何の意味もない注射を打ちながら、「死にはしない。しっかりしなさい」と繰り返すばかりだったのです。

なぜ、「お母さんには、あなたのことばを伝えますから安心して成仏なさい」と、勇気をもって言えなかったのか。

脈をとる手で、どうして彼女の手を握ってあげられなかったのか。

私に、医者としての慢心に気づかせてくれた死でした。
 
 
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