生き方上手
孫子の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール
第四講:「形篇」
思い通りにならない状況をいかに突破するか
24 「負けない自分」のつくり方
勝ちは知る可くして、為す可からず。
相手は自分の思い通りに動いてはくれない。そんな「できないこと」を想定して戦略を立てても勝ちはおぼつかない。それよりも「負けない自分」をつくることを考えよ。自分でコントロールできるのは自分自身だけなのだから。
相手の動きを予測することは大切。しかし、限界があります。
相手が自分の思い通りに動くようにコントロールすることはできないからです。
ところが負ける人というのはたいてい、自分の都合のいいように相手が動いてくれるものとして、策を練っているものです。
それで思い通りにならず、「そう出るとは思わなかった」と打つ手がなくなってしまうのです。
つまり、自分がコントロールしようとした相手に、逆にコントロールされてしまうというわけ。
人間関係もこれと同じ。
悩みもめ事の大半は、相手が思い通りに動いてくれないことに起因します。
「どうしてそんなことをするんだ」
「ふつうはこう考えるだろう。こうするだろう」というふうに考えて、自分の描いたシナリオ通りに事が運ばないことにイライラ・モヤモヤを募らせてしまうわけです。
自分にはコントロール不能なそんなことにエネルギーをかけるよりも、もっと大事なことがあります。
それはコントロール可能な唯一の存在である自分自身を動かして、「負けない自分」「負けに人生」をつくること。
それなら、自分の思い通りにできます。
とはいえ「どうすれば、そんなことができるんだ」という声が聞こえてきそうです。
その答えの一つは、前にお話しした「五事七計」にあります。
あれを徹底してやって、自分を強化していけば、必ず「負けない自分」がつくれるし、「負けない人生」を歩むことができます。
それはそれとして、ここでは一つ、私が実践してきた「後退のない人生」のつくり方についてお話ししましょう。
「負けない自分」とは言い換えれば、「いまよりダメにならない自分」であり、同様に「負けない人生」とは「いまの状態より悪くならない人生」。
そう考えて、いまの自分・いまの人生を「どん底」と決めるのです。
たとえば年収がいまな三百万円で、そこが「どん底」だとすると、それ以上はもう落ちようがない。
だから上に上がるしかなくなるんです。
そうやって「どん底」の年収を決めると、それが四百万円になり、六百万円になり、一千万円になりという具合に、自動的に年収を上げていくことができます。
なぜなら、年収を上げるためにはどうすればいいかを考え、行動するようになるからです。
そこに他力を頼らず、「自分でのし上がっていって、最終的には勝つ」ために戦略と行動力が生まれるわけです。
同じように仕事の成果や内容、地位、人格、人脈、信用度など、さまざまな項目にわたって「どん底」を設定すると、必ずや総合力が上がってきます。
そんなにうまくいくわけがないと思いますか?
これがうまくいくんです。
私自身、若いころは言ってみれば「後退ばかりの人生」でした。
最初はミュージシャンになって、一流と評価されるところまでいったのに、指をケガして挫折。
その後、前述したように映画の仕事をして、ロケで瀕死の重傷を負って、此れも挫折。
九死に一生を得てやっと立ち直り、コンサルティング会社を立ち上げたものの、しばらくは”開店休業”状態。
もちろん、いいときもありましたが、総じて若いときはうまくいかないことの連続だったんです。
それで、あるとき「どうして後退するのか」と悩んで悩んで、ようやく気づいたのです、まだ下があると思っているから落ちるんだと。
上り詰めたら、下るしかない。
どん底に落ちたら、上がっていくしかない。
そういう単純な図式のなかで自分自身を、人生を捉えてみる。
そして常に「いまがどん底だ」と考える。
そうすると「負けない自分」「負けに人生」をつくって、上昇気流に乗っていくことができるのです。
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