『Live Happy』『スライト・エッジ』習慣を身に着けよう!

ポジティブ心理学の科学から出るパワフルな情報を、待ち望んでいる人々に届けるページです。

飛躍的進歩という言葉にだまされてはいけない P144

イメージ 1

『勝つエッジ』
スライト・エッジはあらゆる勝者が成功するために太古の昔から活用してきたプロセスだ。勝つためにはいつでもスライト・エッジが必要なのである。
夏のオリンピックで最も待ち望まれる競技の1つが男子競泳だ。
2008年の北京五輪を迎えるにあたり、マイケル・フェルプスを巡る報道が過熱していた。というのは、マーク・スピッツが樹立した1大会で7個の金メダルという、36年間誰も破ることができなかった記録をフェルプスが破るかもしれないと期待されていたからだ。
最初の7個は割と簡単に取ることができた。しかし8個目は、後世にわたり語り継がれる劇的なものとなった。
100メートルバタフライの最後のターンを切ったあと、フェルプスは何セントも遅れを取っているように見えた。
ところがフェルプスが100分の1秒差でミロラド・チャビッチに競り勝ったことを時計が示したのだ。
1秒どころか、1秒の1パーセントの差で。
そう、まさにスライト・エッジ(わずかな違い)だ。
だが、それこそフェルプスが8個目の金メダルを取り、オリンピック史上最高の選手という名声を手にするために必要だったものなのである。
年俸週数百万ドルの契約を勝ち取る3割打者のスター選手と、平均的な給料しか貰えない打率2割6分強の選手とはどこが違うのかを知っているだろうか?
ヒットの数で言うと、シーズンを通して週に1本以下の違いしかない。
では、ヒットになるか三振に終るかの違いはどこにあるかを知っているだろうか?
なんとバットの位置がわずか6ミリほど違うだけなのだ。
2004年のマスターズ・トーナメトを見たゴルフ・ファンで、それがどんな終わり方をしたかを忘れる人はいないだろう。
過去10年間でタイガー・ウッズ以外の誰よりも多くの優勝回数を誇るフィル・ミケルソンは、最終ラウンドの18番ホールで6メートルのパットを残すばかりとなった。
たとえ2,3センチでも逸れれば、世界第2位のゴルファー、アーニー・エルスとの優勝決定戦にもつれ込むことになる。
パットが成功すれば、ついに批評家たちを黙らせて初のメジャータイトル獲得することになる。
パットを沈め、ミケルソンはグリーンジャケットを手にした。
トーナメント4日目で、ミケルソンは合計スコア279を記録し、マスターズで2回優勝しているベルンハルト・ランガーに6打の差をつけた。
その違いは?
1日当たり1.5打の差だ。
スライト・エッジ(わずかな違い)である。
それはスポーツに限ったことではない。
あらゆることにおいて同じなのだ。
生活、仕事、遊びのどんな領域であれ、勝つか負けるか、成功するか失敗するかを分ける差はごくわずかな微妙なもので、たいていの人には見分けがつかない。
スーパーマンは1回の跳躍で高層ビルを飛び越えるかもしれない。
だが、現実の世界では、僕たちはスライト・エッジの力で勝つのである。