生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅱ 長生きはするもの
便利さ、豊かさにあえてストップをかける
ぜいたくしか知らない若い世代とちがって、私たちはもののない生活も知っています。
物質的な豊かさ、便利さ、高度さが必ずしも「善」ではないことを知っているのは、私たちの強みです。
たとえば、飛行機で12時間かかるニューヨークまでの距離を、音速異動でわずか2~3時間に縮める必要はあるのか。
私には弊害のほうが多いような気がします。r
高度すぎる文明は、人間の心を破壊しかねません。
極端な豊かさや便利さにストップをかけるのも、私たち老人の役目です。
詩人ワーズワース(1770~1850)の言う「生活は簡素に、志は高く」を実行すべきは、いまなのです。
若い人に老人のパワーを見せてやりましょう。
その気になれば、年老いてからでも新しいことは始められます。
人間は生きているあいだに脳の3分の1しかつかっていないないという説もあるのですから、なおさらです。
私は90歳になりますが、いまだに現役で、創造力も行動も若い人には負けないつもりです。
いま75歳の人なら、私と同じ90歳まで、たっぷり15年もあるではありませんか。
「老人」ということばはストレートすぎるからと、最近ではもっぱら「高齢者」と呼ぶようですが、私はむしろ老人と呼ばれたい。
それも新老人と。
「老」という字は本来、尊敬される対象に使われてきたことばなのです。
若い人に「あんなふうに年をとりたい」と思わせるくらいの老人になりましょう。
尊敬を取り戻すためにも、老人自らが行動を起こすときです。
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