生きかた上手
「生きかた上手」日野原重明著
Ⅴ 治す医療から癒す医療へ
医師は聞き上手に、患者は話し上手になることに努めるべきです。
短い診察時間を最大限に生かそう
日本の医療は検査に頼りすぎです。
医師は診察もそこそこに、ひとまず患者さんにあらゆる検査をします。
ここ10数年来その傾向はますます強くなっていて、目に見える証拠がなければ何ものをも認めないという、極端なまでのデータ本位の医療に走っています。
MRI(磁気共鳴画像装置)などのきわめて精密のして高額な検査機器を日本は世界で一番多くもっていますが、残念ながらその保有台数と医療の質は必ずしも一致していません。
みなさんは、検査はすればするほど原因発見に迫れると期待なさるかもしれませんが、実際は患者さんが訴えているとおりに、からだの不調が検査の結果としてすべて現れるとはかぎりません。
風邪が好例です。
風邪によって確かにからだは変調をきたしますが、大がかりな検査をやったところで、それらしい結果が出てくるわけではありません。
だからこそ、医師には、目に見えないものを見てとる技量が求められるのです。
問診も十分にせず、検査のデータだけを見て、医師に「何ともありませんね。気のせいでしょう」などと言われては、たまったものではありません。
受ける必要のない数々の検査のために時間と費用をむだに使うより、医師と患者が十分に対話をするほうがはるかに有効です。
その対話だけで、本来、病気の約6割は診断がつきます。
問診時間がせいぜい3分というのであれば、その3分を最大限に生かすことを、医師も患者も考えるべきです。
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