生きかた上手
Ⅵ 死は終わりではない
人には人にふさわしい終末が約束されるべきです。
家族との「別れのとき」をつくる試み
私はこの2~3年、がんの末期で亡くなっていくホスピスの患者さんたちに、少し思い切って、別れのときをつくる配慮をしています。
死がもう何時間後かに迫っていることが患者さんの脈や血圧や呼吸から判断されたときには、それまでかららだの痛みをとるために使っていた強いモルヒネをいったんやめてみるのです。
そうすると、意識が遠くなりかけていた患者さんがふっと意識を回復して、そばで自分を見守ってくれていた家族の姿に気づきます。
「ああ、みんなありがとう。世話になったね」と、横たわったまま力ない手で奥さんを抱き、子どもを抱いて、最後のことばを交わすこともできます。
人間として最高の愛情を最後に示していけるのです。
強いモルヒネを与え続けて、そのまま昏睡状態になって死ぬことになれば、患者さんに肉体的な苦痛はないにしても、お別れというものができません。
モルヒネをやめて、もし患者さんが苦しむなら、すぐにモルヒネを注射すれば痛みは即座に治まります。
そのように備えながら、死に臨む患者さんに対して、無理な延命措置をするのでもなく、まったく医療的に手を施さないというのでもない、人間らしい別れのときを医学的にコントロールする術を私は用い始めました。
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